サポート延長の噂もありました

Windows 10、サポート終了後も「セキュリティ更新」を有償提供。個人向けでは初

Image:Ralf Liebhold/Shutterstock.com

マイクロソフトは、2025年にサポートが終了するWindows 10につき、拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムを個人ユーザーにも有償で提供すると発表した。

これまで同社は、旧バージョンのWindows OSを使い続ける必要のある組織向けにのみ、ESUプログラムを有償で提供してきた。個人向けにも提供するのは、今回が初めてのことだ。

ESUの提供は年間サブスクリプションの形を取り、最長3年間更新が受けられるという。

公式ブログでは「Windows 11への移行を強くお勧めするが、サポート終了日までにWindows 10デバイスを交換できない事情があることも理解している。そのためマイクロソフトは、ESUプログラムを提供する」と説明している。

このWindows 10向けESUプログラムには、深刻度が緊急および重要なセキュリティ更新プログラムが含まれる。一方で「新機能や、顧客から要求されたセキュリティ以外の更新、設計変更の要求」は含まれないとのこと。また、ESUそのもの以外のテクニカルサポートも受けられない。

Windows 10のサポート終了日は2025年10月14日で、初リリース(2015年7月)から10年以上が経過したタイミングだ。今でもWindows 10は広く使われており、市場シェアは70%以上あるとの調査結果もあった。マイクロソフト社内からリークされた文書も、Windows 11の普及が10よりも遅れていることを示していた

また、生成AI機能「Copilot」の利用を広めるためにも、Windows 10に拡張して搭載するとの噂話もあった。ひいてはWindows 10のサポート延長を社内で議論しているとの証言もあっただけに、個人ユーザーにも企業と同じ有償ESUプログラムを提供するというのは驚きだ。

さらにFAQページでは、「個人ユーザーまたは組織で、2025年10月14日のサポート終了後もWindows 10の使用を継続する場合、(ESU)プログラムにPCを登録する選択肢がある」と念を押している。ただし価格は明らかにしておらず「詳細については、後日お報せする」とのことだ。

とはいえ、マイクロソフトはWindows 10のサポート終了後も、無償でセキュリティ更新を提供せざるを得なくなるかもしれない。たとえばWindows XPはサポート終了から3年後の2017年、大規模なランサムウェア攻撃を防ぐために、例外的にパッチを配信していた。Windows 10でも同様の事態が起これば、影響範囲の大きさから繰り返される可能性がありそうだ。

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