どこまで下がる

下げ止まらないBitcoin価格で、マイニング業者の採算が悪化の恐れ

Image:Sittipong Phokawattana/Shutterstock.com

暗号通貨のBitcoinは、2021年11月に過去最高値となる1BTCあたり約777万円を記録したが、その後は下げ基調の値動きに転じた。今年3月ごろにはいちど持ち直したものの、米FRBによる金融引き締めが加速する懸念から再び下落に転じ、記事執筆時点では1BTCあたり300万円前後まで価格が下がってしまっている。

ここまで値が下がってくると、問題になってくるのは、マイニング業者の採算性の悪化が懸念されることだ。暗号通貨のマイナーたちは、暗号通貨の取り引きに必要なブロックチェーンのトランザクション処理を肩代わりする。そのかわりに、処理したデータを保管するブロックを生成できたら、報酬として一定量の暗号通貨を受け取っている。

報酬として得たBitcoinは、当然ながら単価が高くなればなるほど、その価値も上がる。そのため、マイナーたちは膨大なコンピューターリソースを投入してトランザクション処理を行い、報酬を得ようとする。ただ、Bitcoinの価格が上がって取り引き(トランザクション)数が多くなればなるほど、マイナーたちには高度な計算処理が求められるようになっている。そのためマイナーたちは、膨大な数のコンピューターを導入して設備増強を続けてきた。

デジタル通貨経済学者のアレックス・デフリース氏の2021年の発表によれば、Bitcoin価格が約340万円/BTC以上ならば、Bitcoinのネットワーク全体の年間消費電力はおよそ180TWhにものぼるとのことだった。とすると、現在の約300万円/BTCという価格では、これまでのマイニング報酬と電力コストのバランスが逆転し、赤字操業になるリスクが高くなる。そうなれば、マイナーたちは設備の一部を止めたりして、マイニング作業にかかるコストを制限する可能性が出てくる。

ただ、現状はマイニングコストと報酬のバランスが一時的に崩れただけの状態とも考えられ、またマイニング業者はこれまでに得た報酬もあり、いますぐ事業を縮小しなければならないというわけではない。とはいえ、価格が低水準のまま続くようならば、持ちこたえられなくなるマイニング業者も出てくるだろう。

なお、暗号通貨を大量に保有している人や業者でもなければ、Bitcoin価格の下落は世の中にとっては悪いことばかりでもない。価格の下落によって、マイニング業者が操業を一部停止したり、店じまいすれば、ネットワーク全体での電力消費は減っていく。当然ながら必要な発電量も減るわけで、発電所の稼働による温室効果ガスの排出も、減少する効果が現れてくるはずだ。

膨大なトランザクションの計算を行ったマイナーに報酬を与える仕組みは、 Ethereumなど他の暗号通貨でもよく採用されている。ほかの多くの暗号通貨全体の値動きも、Bitcoinと似通ったものになっている。そのため、Bitcoinの価格下落は、見かけよりもエネルギー消費の節約とCO2排出量削減に大きく関与するだろう。

ちなみに、CNBCは暗号通貨市場はまだ底を完全に打っていないという、暗号通貨取引所Lunoの幹部の話を伝えている。この幹部は、FRBが手綱を緩めることがなければ、さらに「今後1~2か月でBitcoin価格はさらに大きく下げる可能性がある」と述べている。

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