CES 2024に出展へ
ガス警報機能も搭載、作業員の安全を強化するスマートヘルメット「SmartHat」
インドのスタートアップProxgyは、工事現場で作業者の頭を守るヘルメットに様々な機能を追加したスマートヘルメット「SmartHat」を開発した。このヘルメットは1月にラスベガスで開催される家電見本市CES 2024にて、イノベーション・アワードを受賞している。
基本的にヘルメットである以上、まずはきちんと安全に機能するものであることが前提だ。SmartHatは、落下物に対する保護は提供するが、電気的な危険から着用者を保護するためのものではない。とはいえ、タイプ1/クラスCの安全規格を満たしており、一般的な作業用ヘルメットとほぼ同等の安全性を確保している。
しかしSmartHatには、その名のとおり多種多様なセンサーや通信機能が付与されており、通常のヘルメットよりもオペレーターが安全に作業をこなすことができるようになっている。
たとえば、14種類の可燃性ガスまたは3種類の有毒ガスに対する警報機能を搭載。近接センサーにより、頭上に障害物があり、うっかり立ち上がったりして頭を打つ可能性も知らせてくれる。さらに着用者の心拍、体温、血中酸素に異変を検出した際に、現場もしくは遠隔の管理者に無線通信で情報を送信する機能も搭載する。
他にも、マルチチャンネルのトランシーバー機能、ヘルメット前方および後方の映像をHD解像度で撮影する視野角160度のカメラ、そして4G/5G、Wi-Fi、Bluetooth、NFCその他の規格でのワイヤレス通信機能etc…。あらゆる機能を搭載している。もちろん、転倒などによってヘルメットが脱げたりすれば、それも管理者に知らせることができる。
必要な電源は、背面にある取り外し可能なバッテリーパックから供給される。充電はUSB Type-Cで行えるが、どのぐらいの頻度で充電する必要があるのかなどについては示されていない。なお、電気的な機能を多数備えているSmartHatには防水性能が必要だ。メーカーは、このヘルメットがIP67の防水防塵性能を備えていると説明している。
危険な作業をする場合は、万が一を考えて必ず2人以上で行うべきだが、このヘルメットからのデータを常に管理者が監視するのであれば、ひとりでも安全に作業できるようになるかもしれない。ただし、日本国内で何らかの工事を行う会社なら、通常は社内の規定で作業標準書などに、安全に作業をするためのルールが定められているはずだ。場合によってはSmartHatを使う前に、ルールの改定が必要になるかもしれない。