浮上しなくても飛ばせるのが大きな利点

潜水艦から水中射出、一気に上空へ飛翔する偵察ドローンをイスラエル企業が開発

Image:SpearUAV

イスラエルの軍用ドローン企業SpearUAVが、潜航中の潜水艦から射出して浮上し、空中へと飛び立つドローン「Ninox 103 UW」を発表した。

潜水艦は、海中を移動することで隠密に行動できるという戦略的、戦術的な優位性を得ている。一方で、潜航しているがために、自らも海上および上空の状況把握が難しいという問題がある。

オランダ・ロッテルダムで開催された、Undersea Defense Technology(UDT) 2022で発表されたNinox 103 UWは、カプセルに入った状態で潜水艦から射出され、海面まで浮上した後、カプセルから上空へ向けて発射される。浮上に使われるカプセルは、海面に浮上してから24時間待機することが可能で、潜水艦はその間にその場を離れて安全を確保することが可能だ。

潜水艦の上空状況把握には、これまでも固定翼タイプの無人偵察機や凧のようなものなど、さまざまなものが使われてきた。しかしそれらは、まず上空に配備するために潜水艦を海面に浮上させなければならず、せっかくのステルス特性が損なわれてしまっていた。Ninox 103 UWは水中から射出できるため、この問題をクリアし、さらにマルチローター式のドローンとすることで柔軟な飛行が可能になっている。

このドローンは、最大10kmの航続距離と最大45分の飛行時間を備えている。そして、電子光学/赤外線センサーとAIによる自動標的捕捉機能を搭載している。また通信は暗号化し、クロスドメイン接続を利用することで、重要な偵察情報をミッションコントロールに迅速に伝達可能と説明されている。

Image:SpearUAV

SpearUAVは現在、他の防衛企業と協力して新しい技術を取り入れるべく、このドローンのテストを重ねているとのこと。

ちなみに、SpearUAVはNinox 103 UWが、潜航中の潜水艦から直接展開できる無人航空機だと述べているが、米海軍は昨年、固定翼タイプの水中射出可能な偵察ドローン「Blackwing UAS」の購入を計画している。

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