「すべてを記憶する」ことが困難に?

Evernote、無料で作れるノートを「50件まで」に制限するテスト実施中

Image:Evernote

クラウドメモアプリの「Evernote」は、無料ユーザーに対して大幅な機能制限を加える可能性があることを明らかにした。「すべてを記憶する」クラウドメモサービスを標榜するEvernoteは、これまでは無料ユーザーも無限にノートを作ることができた(月間のアップロード容量制限はあった)。

しかし現在、Evernoteは一部のユーザーに対し、無料プランのままで作れるノートが最大50件までになる旨を伝えるポップアップが表示され、これまでのように無限にノートを作成したいならば有料プランにアップグレードするよう求めているという。

ただ、Evernoteのウェブサイトにはまだそのようなプラン変更に関する記述はまだない。これに関して、EvernoteはTechCrunchに対し、変更は最終的な決定ではないためだと説明した。つまり、一部ユーザーに提示される有料プランへの案内はテストの一環であり、無料ユーザーの1%を対象として行っているとのことだ。

もし、すでに大量にノートを作っているユーザーにこの変更が適用されれば、ユーザーは新規にノートやノートブックを作ることはできず、既存のノートを閲覧・編集・削除・エクスポートすることしかできない。日常的にEvernoteを使い続けてきたユーザーにとっては、有料に切り替えるか、諦めて他のサービスへの移行を検討することになりそうだ。

Notion、Milanote、Simple Noteなど、機能に多少の違いはあれど、無料でEvernoteと同様の使い方ができるクラウドサービスはたくさんある。もしEvernoteが本当に無料ユーザーへの制限を強化するならば、これら代替サービスへのユーザーの流出も起こるかもしれない。

Evernoteは昨年、イタリア・ミラノのBending Spoonsと称する会社に買収されており、従業員129人が解雇された。そして長年苦心してきた収益拡大への取り組みを、いままで以上に強化することが求められている。

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