今のところ「広告ブロッカーのブロック」も発動せず

YouTubeの「広告ブロック禁止」に対抗、超高速再生で広告を終わらせる手法

Image:hackhive

ここ数か月、YouTubeは広告を非表示にする「広告ブロッカー」の取締りを強化している。当初は一部ユーザーにポップアップが表示されるのみだったが、最近は全世界に拡大した上に回避が非常に難しくなり、実際に広告ブロッカーを数十万人がアンインストールしたとの調査結果もあった

そんななか、YouTube広告をブロックする代わりに超高速で再生するChrome拡張が公開されている。なお、Microsoft Edgeにもインストール可能だ。

Chromeウェブストアに公開された「Ad Speedup」は、再生中の広告を自動的に認識し、16倍のスピードで再生。これにより30秒の広告がわずか1〜2秒となり、コンテンツを見る邪魔にならない。さらに広告の音声もミュートされるため、気づきもしないかもしれない。次期バージョンでは、自動的に「スキップ」ボタンも押すようになるという。

開発者は大手掲示板Redditに簡単なデモを投稿しているが、本当に広告が目にも止まらぬ速さで流れ去っていく。

この拡張機能はYouTube側の再生速度コントロールを活用することで、実にシンプルに動作する。既存の広告ブロッカーとも一緒に、支障なく使えるという。YouTubeは広告をブロックすることは検知するものの、再生速度はチェックしていないようだ。

しかし、広告動画を高速表示することが、クリエイターへの支払いにどう影響するのかはまだ分からない。YouTube運営が広告表示の回数だけを見ていれば問題ないが、もしも広告動画が実際に再生された時間を計っていれば収益の削減にもなりかねない。

YouTubeは広告収入をシステムの運営に充てており、それを回避したいユーザーからはPremium料金を徴収している。それをどちらも回避する広告ブロッカーは、ただ乗りに過ぎないだろう。公式サポートページでも広告のブロックは利用規約に違反すると明言している

ユーザーが広告に煩わされることなく、かつクリエイターの収入を守るためには、Premiumプランへの加入がベストなのだろう。だが、少なくとも「広告をどんな形であれ再生する」という一点において、この拡張機能は広告ブロッカーよりはマシとは言えそうだ。

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