OpenAI従業員もほぼ全員退社すると取締役会に最後通牒

OpenAI アルトマン元CEO、まだ復帰を模索か。マイクロソフトCEOも明言を避ける

Image:Ascannio/Shutterstock.com

電撃的にOpenAIを解雇されたサム・アルトマン元CEOがマイクロソフトに入社したと報じられたが、まだ決まったわけではないようだ。同氏とグレッグ・ブロックマン元社長は、解雇を決定した取締役らが退任するのであれば、OpenAIに復帰する意志があるとThe Vergeが報じている。

アルトマン氏が電撃解雇された後、OpenAIへの投資家やスタッフからの強烈な反発を受けて、同社の取締役会はアルトマン氏の復帰に「原則的に」合意した。だが、取締役会は期限とされた土曜日の午後5時を守らなかった。

その後、アルトマン氏はOpenAIの取締役会との協議に臨んだ。しかしこちらも、結局のところ取締役会は決断を下せず、話し合いは決裂した。その後にマイクロソフトのナデラCEOが、アルトマン氏とブロックマン氏を雇用したことを発表したという流れだ。

事態はここで終わらなかった。OpenAIのスタッフは、取締役会が辞任し、アルトマン氏とブロックマン氏を復職させなければ退社するとの書簡を突きつけたためだ。Bloombergによると署名者の数は700人以上に膨れ上がったというが、これは同社の従業員、約770人のほぼ全員である。

しかも、アルトマン氏の退社を主導したというイリヤ・スーツケバー氏までも「取締役会の行為に参加したことを深く反省している」と表明し、上記書簡にも署名。この動きを、アルトマン氏も大歓迎のようだ。

つまり取締役会5人のうち、あと2人が寝返ればアルトマン氏に復帰の道が開けることになる。アルトマン氏も「私たちはみな、何らかの形で協力するつもりだ」と述べており、まだまだ戦いが続くと示唆している

かたやマイクロソフトのナデラCEOは、CNBCとBloomberg TVに出演。アルトマン氏や700人のOpenAIスタッフは同社の社員となるのかと質問されて「それはOpenAIの取締役会と経営陣、そして社員が選ぶことだ」とだけ答えている。

続けてナデラ氏は、マイクロソフトは「OpenAIと提携することを選んだが、それはOpenAIの社員がマイクロソフトに残るか、マイクロソフトに来るかにかかっている。私はどちらでも受け入れる」とも発言。そして、OpenAIのCEOは誰になるのかとの質問に「OpenAIとその取締役会に任せます」と答えるに留めている。

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