SpaceXは成功だと述べています
米連邦航空局、Starship2度目の試験飛行で起きた爆発を「事故」として調査監督へ
米連邦航空局(FAA)は、18日に実施されたSpaceXの大型ロケット「Starship」の2度目となる試験飛行において、1段目ブースター「SuperHeavy」とロケット上段部のStarship本体が、上空で「予期せぬ早期分解(RUD)」と表現される爆発を起こしたことに関して、これを“事故”と表現し調査を監督するとアナウンスした。
FAAは打ち上げの後、「SpaceX主導の事故調査を監督し、SpaceXがFAAの承認した事故調査計画や、その他の規制要件を遵守していることを確認する」とX(Twitter)に投稿した。また今回の打ち上げによって公共物に何らかの損害が発生したり、人々がケガを負ったりしたとの報告はないと述べている。
FAAは、今年4月に行われた最初のStarship試験飛行においても、様々なロケットそのものに関する不具合や、打ち上げ施設の損傷、周辺地域へのデブリ落下などに関する調査を監督した。この調査自体は9月に終了したが、その後さらに2度目の試験飛行に向けた安全審査と環境評価にも時間がかかり、それらが最終的に完了して打ち上げ許可を出すことができたのは11月15日のことだった。
今回の試験飛行では、前回に比べると遙かに手順が順調に進んでいたため、調査やその後に続く3度目の試験飛行までに時間がかかるわけではなさそうだ。SuperHeavyブースターが備える33機のRaptorエンジンは予定どおりに点火・燃焼し、前回は失敗したブースターとロケット上段の切り離しも順調にこなした。
また打ち上げ施設の損傷は打ち上げ直後の情報では確認されておらず、巨大なクレーターができた前回の打ち上げからは大きな進歩を見せている。今回は発射台に、10万ガロンの水を流入させて打ち上げの衝撃を軽減する放水システムを備えたことで、打ち上げの際の燃料噴射による被害をほぼ回避できたようだ。これにより物理的には、次回の打ち上げは数か月以内に可能になるはずだ。
なお今回の試験では、SuperHeavyブースターは分離後、海に着水するのではなく、程なくして爆発する様子が打ち上げの生配信映像で確認された。ブースターはStarshipの上段から切り離された直後に爆発したが、ブースター自体が故障したのか、それとも上段エンジンからの過熱した排気によって損傷したのかは不明だ。
一方、宇宙船本体を兼ねるロケット上段は、高度約150kmの上空まで上昇し、最終的に時速2万4100kmまで加速した。そしてエンジンの燃焼終了予定時刻まで30秒を切ったあたりで突然消息を絶った。こちらもどうやら予定外の爆発に見舞われたようで、上級エンジニアのJohn Insprucker氏は「Starshipの自動飛行停止システムが上段のエンジン燃焼の終了前に作動したようだ」と述べた。
この爆発によって、Staship本体が装備する耐熱シールドの性能を確認する試験の機会も失われた。今回の試験飛行は、離陸後約1時間半をかけて飛行し、Starship本体は太平洋に着水するのがもともとの予定だった。
- Source: SpaceX Space.com Ars Technica