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アップル、Android標準採用のメッセージ形式「RCS」をiPhoneでサポート
アップルが、2024年からAndroidが標準メッセージング形式として採用するメッセージ規格「Rich Communication Services(RCS)」を採用することを明らかにした。
アップル広報は、9to5Macに2024年後半にRCS Universal Profileのサポートを追加する予定だとし、「RCS Universal Profileは、SMSまたはMMSに比べより優れた相互運用性体験を提供すると考えている。これはiMessageと並行して動作し、引き続きAppleユーザーにとって最高かつ最もセキュアなメッセージング体験を提供する」と述べている。
ここ数年、GoogleはアップルがRCSをサポートせず、独自のメッセージング規格であるiMessageをiPhoneの標準規格として維持していることに不満を示しており、アップルに対して「get the message」と題した宣伝キャンペーンを行うなどの圧力をかけてきた。
しかしアップルのティム・クックCEOは、Vox MediaのCode 2022カンファレンスでこのことについて質問された際「現時点ではその努力をするほどの要望は受けていない」とし、会場で「Androidスマホを持つ母親から送られてきた動画を見ることができない」との苦情に対しては「ぜひお母さんにiPhoneをプレゼントしてあげてください」と返していた。
ただし、アップルがRCSを無視し続けた場合、EUは、iMessageを巨大IT企業が権力を維持するために振りかざす棍棒のように捉える可能性も指摘されている。昨年には、ティーンの87%がiPhoneを持つ米国で、iPhoneユーザーの友人との間でSMS/MMSの貧弱なメッセージング(iMessage固有のミー文字なども使えない)しか使えないAndroidを持つ子どもが疎外感を感じ、村八分的な扱いを受けることが多いと報道されていた。
さて、理由がなんであれ、アップルはRCSをサポートすることを決定した。このことについてはGoogleは大勝利と考えているかもしれないが、アップルがそれをiMessageと同じ待遇で扱うかどうかはわからない。動画や写真をきれいなままで転送できるようにする可能性は高いが、これまでのSMS/MMSと同程度の扱いになるのではないかとArs Technicaは予想している。
GoogleはAndroidにおけるRCSに、いくつかの重要な機能拡張を提供している。しかし、アップルは声明で「GSM協会が現在公開している標準」をサポートすると述べており、Googleが独自に追加したエンドツーエンドの暗号化などには目もくれない可能性が高い。
そして9to5Macは「アップルはRCSプロトコルをさらに改善する方法についてGSMAメンバーと協力すると述べている」と伝えた。これにはRCSのセキュリティと暗号化の向上が含まれるとのことで、アップルは自らRCS標準に手を入れていく構えのようだ。
RCSそのものは2007年にGSM Associationがプロジェクトとして採用し、2016年にGoogleがAndroidのOSレベルでこれを採用したことで、現在はAndroidの標準メッセージング規格になっている。日本ではドコモ、au、ソフトバンクの三大キャリアがRCSを「+メッセージ」という名で大々的に宣伝していたのを覚えている人もかもしれない。
- Source: 9to5Mac
- via: Ars Technica Engadget