モデルごとに対応が限定される機能を紹介

iOS 16の新機能、あなたのiPhoneでは使えないかも?

Image:Yalcin Sonat/Shutterstock.com

アップルが開発者向けイベント「WWDC22」で発表した「iOS 16」は、iPhone 8やiPhone X、iPhone SE(第2世代)以降をサポートしている。

しかしそれらのサポート対象iPhoneでも、世代によって利用できる機能に差があることが、アップル公式サイトのiOS 16プレビューページや、海外テックメディアの9to5Macによって明かされている。

モデルごとに対応が限定されているiOS 16の新機能は以下の通りだ。

A12 Bionic以降を搭載したiPhone XS/iPhone XR以降で対応

・ビデオでのライブテキスト
 一時停止したビデオ内のテキストのコピー&ペースト、検索、翻訳などに、次の言語で対応:英語、中国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ウクライナ語

・ライブテキストでのクイックアクション
 検出したテキストからフライトや貨物の追跡、翻訳、通貨の換算が可能に

・ライブテキストで新たな言語に対応
 日本語、韓国語、ウクライナ語

・絵文字の音声入力
 Siriでメッセージを送る際、次の言語と地域で、音声による絵文字入力が可能に:広東語(香港)、英語(オーストラリア、カナダ、インド、イギリス、アメリカ)、フランス語(フランス)、ドイツ語(ドイツ)、日本語(日本)、北京語(中国本土、台湾)、スペイン語(メキシコ、スペイン、アメリカ)

・Siriによるアプリケーション内機能の発見
 次の言語に対応:ドイツ語(ドイツ)、英語(オーストラリア、カナダ、インド、英国、米国)、スペイン語(メキシコ、スペイン、米国)、フランス語(フランス)、日本語(日本)、北京語(中国本土)、広東語(香港)

・新しいディクテーション体験
 音声入力とタッチ入力をシームレスに切り替えることが可能に

・iPhoneカメラによる薬のヘルスケアアプリへの追加
 カメラで薬のラベルを撮影することで登録することが可能に

・より多くのアプリでの画像検索
 メッセージ、メモ、ファイルアプリから、場所、人、シーン、あるいはテキストや犬などの検索が可能に。対応言語は次のとおり:英語、中国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ウクライナ語

・ビジュアルルックアップの改善
 画像から犬などの被写体を浮かび上がらせたり、背景を削除して分離することが可能に

・ビジュアルルックアップの新しい認識対象
 鳥や昆虫、彫刻が認識可能に

iOS 16では、写真の被写体を自動認識して切り抜くことができる

iPhone 11以降(とApple シリコン搭載Mac)で対応

・ライブキャプション
 リアルタイムでの音声のテキスト化がカナダと米国で可能に

iPhone 12 Pro、iPhone 13 Pro、12.9インチiPad Pro(第4世代と第5世代)、11インチiPad Pro(第2世代と第3世代)にて対応

・ドアの検出が可能に。ドアを見つけて距離を特定し、開け方を調べることができる

iPhone 13以降で対応

・ポートレートモードで前景をぼかすことが可能に
 手前のオブジェクトをぼかすことで、よりリアルな被写界深度効果を実現

・シネマティックモードでの撮影画質の向上
 横顔のアングルや髪、メガネの端などのぼけ効果がより正確になる

以上のリストから、たとえiPhoneがiOS 16に対応していても、「A12 Bionic」を搭載したiPhone XS/XR以降かそうでないかで、利用できる機能に大きな差があることがわかる。また9to5Macの情報によれば、iPhone 11やiPhone 13でのみ利用できる機能もあるようだ。

そしてリストを注意深く見ると、これらの、特定機種以降でしか使えない機能の多くが、画像認識や音声認識に関連していることに気づくだろう。

iPhoneに搭載されている「Aシリーズ」プロセッサーは、世代刷新とともに単純な性能が向上してきただけでなく、機械学習処理を行う「Neural Engine」にも大きく手が加えられてきた。アップルは毎年、このNeural Engineの性能を進化させており、この性能差によって、iOS 16で利用できる機能に大きな違いが生じていると考えられる。

自分のiPhoneにiOS 16をインストールした後に、「あれ、この機能が使えない?」と慌ててしまうのは、なんとも悲しい。そのような事態にならないためにも、あらかじめ上のリストを参考にしていただきたい。

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