現在はAndroid 9がベース
アマゾン、Fire TVなどのOSをAndroidベースから独自の「Vega」に置き換えか
著名テクノロジーライターのJanko Roettgers氏は、複数の情報筋やその他情報源、関連するとみられる求人情報やその他の資料から得た情報として、アマゾンが同社Fire TVやスマートディスプレイ、その他コネクテッドデバイスのOSを、現在のAndroidベースのものからLinuxベースの独自OSに切り替える計画を立てていると報じている。
Roettgers氏は、アマゾンは「Vega」と呼ばれる独自OSに関して、2017年からアイデアをチップメーカーに提案していたと述べた。そして、元Mozillaの技術者Zibi Braniecki氏を含むアマゾンのデバイスOS開発グループメンバー数百人が、この独自OSに取り組んで来た結果、「OS開発はほぼ完了している」とし、あとはSDKや、開発者へのその他の特典を準備する計画になっていると伝えている。
現行のAmazon Fire OSは、5年前のAndroid 9がベースになっており、そろそろ大規模なアップデートが求められる時期にさしかかっている。またAndroidは非常に幅広いデバイスをサポートするよう設計されており、アマゾンのハードウェア製品のように限られた、比較的少ないニーズを満たすには不要な要素も多く含んでいる。
Linuxベースとはいえ独自に開発するVegaへ切り替えることで、贅肉をそぎ落として動作の安定性を確保しやすくなる可能性もありそうだ。Googleが、スマートディスプレイ製品にAndroidではなくコンパクトなリアルタイムOS「Fuchsia」を採用したのも、同様の理由と考えられる。
またVegaは、アプリ開発にReact Nativeを使用するとされている。このフレームワークはMetaが開発したものだが、クロスプラットフォームでの開発に対応しており、iOSおよびAndroidアプリで、最大90%同じコードが使えると言われている。
Roettgers氏は、アマゾンは将来のデバイスはすべてAndroidとは縁を切る計画だとし、たとえばVegaを車載インフォテインメントにも対応させる可能性があると述べた。