アップルカーも関連?
アップル、独自バッテリー開発中の噂。将来iPhoneの電池持ちが大幅改善か
アップルのモバイル製品では、iPhoneにせよMacBookにせよ、バッテリーが重要な位置を占めている。iPhone用Aシリーズチップも処理速度と消費電力のバランスを巧みに配分しているし、Appleシリコン(独自開発チップ)搭載MacBookもバッテリー持ちの優秀さが人気の起爆剤となった。
そうしたバッテリーを、アップルが自社開発していると韓国の電子業界誌ET Newsが報じている。
同誌の業界情報筋によると、アップルはカスタム設計の自社製バッテリーを開発しているという。既存品よりも大幅に高性能化するため、直にバッテリーを構成する材料の開発に関与しているとのことだ。
その1つが、カソード(外部回路に電流が流れ出す電極)材料だ。エネルギー密度や出力、安定性などを決定する重要なものだが、アップルはニッケルやコバルト、マンガン、アルミニウムなどの原料を組み合わせているという。性能向上のため、全く異なる新しい組成を推進しているとのことだ。
すでにアップルは「Appleのリチウムイオンバッテリー」として独自性を強調しているが、この記事が本当であれば、バッテリーのさらに深い領域に踏み込むことになる。同社は2019年、バッテリーを手がけるサムスンSDIから幹部を引き抜いていたが(後にVWに引き抜かれた)それが伏線となっていたのだろう。
カソード材料の一方で、アップルはアノード(酸化が起こる電極)材料としてグラファイトに代えてシリコンを使うことを前向きに検討していると報じている。
これによりバッテリー容量を向上させ、充電時間の短縮が見込めるという。しかし、シリコンは充放電の過程で体積が膨張する問題がある。アップルはそれを軽減する方法を見つけたようだ。
以上すべては、中長期的なプロジェクトになりそうだ。ET Newsによると、この新型バッテリーが消費者向け製品に搭載されるのは2025年以降になるという。
アップルがモバイル製品向けに新型バッテリーを検討しているとの噂は、以前から何度かあった。iPhone 15シリーズでもEV用バッテリー技術を用いてエネルギー密度を10%高めた「積層型バッテリー」の搭載が予想されたが、実際の容量は前モデルと大差なかった。
アップルと言えば、独自開発していると噂のEV「アップルカー」もバッテリーが大きく関わってくるだろう。同社の内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は「2030年までに登場する可能性がある」と大まかな予想を述べていたが、そのバッテリー技術をiPhoneに投入することもあり得そうだ。