視力を測ってぴったりの度数にできる

音の出るメガネ「HUAWEI Eyewear 2」は買い? “OWNDAYSモデル”自腹レビュー

HUAWEI Eyewear 2 OWNDAYSコラボモデル

ファーウェイ・ジャパン(以下、ファーウェイ)は、スマートグラスの新モデル「HUAWEI Eyewear 2」を11月9日に発売した。本モデルにはウェリントン型ハーフリムのブラックと、チタニウムシルバーがあるが、チタニウムシルバーは11月24日に発売予定となっている。

また、これらの発売に先立ち、メガネメーカーOWNDAYSとのコラボモデルが11月3日に発売された。 ラインナップは、4タイプ×2カラーの計8モデルとなる。

今回、OWNDAYSコラボモデルより、スクエア型のBROW SQUAREを購入した。HUAWEI Eyewear 2がどういった製品なのかも含めて、その使い勝手を紹介しよう。

Bluetoothイヤホン・マイク一体型のスマートグラス

本機は、2022年に発売されて一部ガジェット好きを中心に大人気となった「HUAWEI Eyewear」の次世代モデル。スマートグラスとはいえ、ARグラスの「Xreal Air」などのように、映像的な機能を搭載しているわけではない。メガネにBluetoothイヤホンとマイクの機能を搭載した、オーディオグラスと呼ばれるジャンルの製品だ。

ここ数年、耳をふさがない開放型(オープンエアー)と呼ばれるイヤホンが増えてきたが、オーディオグラスもその1つと考えていいだろう。

オープンエアのものを含め、一般的なイヤホンは当然ながら耳に装着する必要がある。機種によって装着感は異なるが、どうしても長時間の装着では耳に違和感を覚えることが多い。これに対し、オーディオグラスはメガネ型のため、長時間でも違和感なく装着できるのが大きなメリットとなる。

音楽を聴くときだけではなく、度の入ったレンズを使って日常使いのメガネとしても利用できる。ファーウェイのモデルは購入後に別途有料でレンズを作成する必要があるが、OWNDAYSモデルは、同じ価格で度入りレンズを作成できるので、少しだけお得感がある。

OWNDAYSモデルは店頭でも購入できるので、視力を測ってぴったりのレンズを作成することも可能。ちなみに価格は、ブラックが37,800円、チタニウムシルバーが47,800円、OWNDAYSモデルは37,800円だ(いずれも税込)。

約11時間の音楽再生を実現するバッテリー持ち

HUAWEI Eyewear 2は、前モデルで不満が多かったバッテリー持ちが大きく改善された。前モデルも音楽の連続再生時間は約6時間で、イヤホンとして考えると十分に長かったのだが、メガネ型でイヤホンのように着け外しをしないと考えると、少々心もとなかった。

今回のモデルでは、これが約11時間に拡大。移動中やPC作業中などに音楽を流しっぱなしにしていても、問題なく1日利用できるだろう。

充電はツルの端に専用のアダプタを装着し、それにUSB Type-Cケーブルを挿して行う。この方法は前モデルから変わっていないのだが、マグネットが強力になり、外れにくくなっている。ただ、アダプタを都度装着するのがそもそも面倒なので、ぜひ次回作は専用の充電台を用意するか、USBケーブルを本体に直接繋げられるようにしてほしいところだ。

充電は専用のアダプタをテンプルの先端に装着し、そのアダプタにUSB-Cケーブルを挿して行う

音漏れはする

オーディオグラスのメイン機能となる音楽再生に関してだが、同一指向型デュアル振動板スピーカーを搭載し、前モデルと比較して音量が30%向上。スピーカーの振動幅も増加し、低音も強化したと説明されている。

スピーカーには同一指向型デュアル振動板を採用。前モデルからオーディオ音声が30%、振動幅が40%強化された(Image:HUAWEI)

実際に聞いてみると、確かに低音はかなり力強い。ただし中音域、特に女性ボーカルなどは、音量を上げると十分にクリアに聞こえるのだが、音量を控えめするとややこもり気味な印象を受けた。

また、音楽再生中にテンプル(つる)の部分がかなり振動する。低音が強化された影響なのだろうか。装着していて気になるほどではないが、前モデルよりも明らかに振動が大きく、敏感な人なら気になるかもしれない。

テンプル(つる)の下側にメインのスピーカーを搭載。上側にも音漏れ対策のスピーカーがある

オープン型ということで音漏れが気になるところだが、上下対称なスピーカー設計により、音漏れが小さくなったとのこと。ただし、それでも音漏れはする。静かな環境で音量を抑えていても、1~2m離れるとまず気にならないが、すぐ側だと音漏れがはっきりとわかる。

多少騒がしい状態では、そもそも音量を上げないと自分にも音が聞こえない。だがそのような環境でも、自分に聞こえる音量では、すぐ隣にいる人にも音が聞こえていると思っていいだろう。このため、車内が空いていて周りに人がいない状況でもなければ、電車内で使うことはお勧めできない。

オーディオグラスの利用シーン

筆者は昨年発売された、HUAWEI EyewearのOWNDAYSモデルを1年間、日常的にかけるメガネとして利用していた。

オーディオグラスと聞くと、音楽を聴くためのものという印象がある。もちろんその用途でも利用できるのだが、筆者の使い方としては音楽よりも、通知の確認や通話、そして時報の確認用途がメインとなっている。

通知に関しては、「通知読み上げ」というアプリを入れて、SMSとMessage、LINEのみ音声で読み上げるようにしている。また、「音声時報Pro」で15分毎に音声で時報を流すように設定している。

これらのおかげで、スマートフォンやスマートウォッチを見なくても、定期的に時間を意識できる。作業に没頭して(あるいは余計な調べ物を始めてしまって)時間を忘れるということがしばしばあるのだが、15分間隔で時間を思い出させてくれるので助かっている。

前モデルから、テンプル(つる)が20%細くなり、より普通のメガネに見えるようになった

オーディオグラスのメリットは、メガネ型であるという点に尽きる。音楽を聴くためにいちいちイヤホンを着け外しする手間もない。電話がかかってきても、テンプル部分をタップするとすぐに応答できるのは大変使い勝手がいい。

また、HUAWEI Eyewear 2はマルチポイント接続に対応している。PCとスマートフォンの両方に接続しておけば、PCでのオンラインミーティングにも活用可能だ。

心配なら実店舗でフィッティングの確認を

メガネなのでフィッティングは気になるところだが、HAUWEI Eyewear 2はテンプル部分を曲げられないので、調整の幅はかなり狭い。現実的には鼻あてを微調整することぐらいしかできない。

OWNDAYSモデルは、別売りのサングラスプレートをマグネットで装着可能。ファーウェイモデルでは利用できないOWNDAYSのみの利点だ

ただ、HUAWEI Eyewear 2の作成にあたり、OWNDAYSが販売する350万本のメガネのデータを収集し、日本人の頭の形に最適なサイズを割り出したとしている。この結果、HAUWEI Eyewear 2は、30~50代の日本人の多くがフィッティングをしなくても問題ないかけ心地になっているという。とはいえ、心配であれば、実店舗で確認してみるのがいいだろう。

音楽をじっくり聴くという用途にはあまり向かないオーディオグラスだが、BGM的に音楽を流したり、電話の着信などにすぐに応答したい、通知を逃したくないという人ならかなり使い勝手がいいはずだ。

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