27インチiMac/iMac Proユーザーの希望を断ち切るため?

アップル、新型27インチiMacは“当面出ない”と宣言

Image:Canadapanda/Shutterstock.com

アップルはMacの全モデルをインテルチップからAppleシリコン(独自開発チップ)への移行をほぼ完了したが、「27インチiMac」は2022年に販売を終了したまま、後継モデルが登場していない。また、同じサイズの「iMac Pro」も2021年3月に販売終了後、その空白を埋めるデバイスは出ないままだ。

アップルはテックメディアThe Vergeに、Appleシリコン搭載の27インチiMacを作る予定はないと語っている。

同社の広報は、より大画面のiMacに期待を抱いている人向けに、27インチ5Kディスプレイ+デスクトップ、つまり「Studio Display」+「Mac Studio」または「Mac Mini」の組み合わせを検討するよう勧めている。アップルが将来の製品について、たとえ否定の形であれ、言及するのは非常に珍しいことだ。

今回の声明によれば、最新の4.5Kディスプレイを搭載した24インチiMacは、旧インテル版21インチ4Kモデルと27インチ5Kモデルの間にピッタリ収まるものだという。

先週の「Scary Fast.」イベントでも、アップル幹部のJohn Ternus氏は、新型M3 24インチiMacを「4Kと5Kのインテルベースモデルの両方を置き換えるのに最適なサイズと解像度」だと位置づけていた。ニュースリリースでもインテル搭載モデルとの比較が目立っていたのは、27インチiMacユーザーにAppleシリコン後継モデルを諦めるよう示唆していたのかもしれない。

しかし、24インチiMacにはM3チップのベースモデルしか搭載されず、かつてのiMac Proのような上位の選択肢は用意されていない。またインテルiMacは外付けGPUを追加することで動画・画像処理を高速化できたが、Appleシリコン版iMacは内蔵GPUで全てをこなすのみ。それ以上のパフォーマンスを求めるなら、他のMacやアップル以外のPCに目を向けるしかない。

ただし、アップルが否定したのはあくまで「27インチiMac」だけだ。著名アナリストMing-Chi Kuo氏や信頼性の高いジャーナリストMark Gurman氏らは、32インチiMacが2025年に出ると主張。42インチiMacが2029年に計画されているとのリーク情報もあった

アップルが将来について真実を語ることはほとんどなく、また社内で事情が急きょ変わることも珍しくはない。今回の声明は、「27インチiMacやiMac Proユーザーの大画面iMacへの希望を断ち切り、24インチ M3 iMacに乗り換えさせる」意図以上のものはない、とも解釈できそうだ。

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