Googleが追跡を制限するのはビジネスモデル的に難しい?

アップル、社内でAndroidデバイスを「巨大な追跡装置」と呼んでいたことが明らかに

Image:Daria Nipot/Shutterstock.com

アップルは長年にわたってAndroidを批判してきたが、社内プレゼンテーションでAndroidを「巨大な追跡装置」(massive tracking device)と呼んでいることが明らかとなった。

これは現在進行中の、米司法省がGoogleを反トラスト法違反の疑いで訴えた訴訟に関連したものだ。この裁判には様々な資料が提出されてあるなか、アップル社内での「プライバシーで勝負する」方針のスライドが発見された格好だ。

2013年1月に作成されたスライドは、アップルの競合他社(主にGoogle、Facebook、Amazon、マイクロソフト)がプライバシー問題やユーザーデータをどのように扱って来たかを掘り下げている。

そのうち「プライバシーの年表」では、Googleストリートビュー撮影車がWi-Fiデータを誤収集したことや、Instagramがユーザーの写真を広告に使うのを目指したこと、またGoogleが複数のサービス間でユーザー属性を組み合わせるようプライバシーポリシーを変更したこと等に言及している。


音声検索についても、自社は音声データをSiriとしかひも付けていないが、GoogleはGoogleアカウントそのものにひも付けているなど、自社のプライバシー保護が優れていると示唆する比較表を列挙。その上で「Androidは巨大な追跡装置だ」と述べているしだいだ。

このスライドは部分的に編集されており、どのような文脈で作成・社内プレゼンされたかは省かれている。だが、「我々の競合社らのプライバシーに対するアプローチ」との一節もあり、強烈な対抗心がうかがえるのは確かだろう。

もちろんAndroidばかりか、iOSも含めて、すべてのモバイル機器は大量のユーザー追跡を行っている。アップルは2021年のiOS 14.5でアプリトラッキング透明性(App Tracking Transparency)を導入したが、裏返せばそれ以前はユーザーに追跡を許可するかどうか尋ねなかった、ということだ。

アップルはプライバシーを「基本的人権」と呼び、それを自社製品やサービスの競争力として位置づけている。Googleもそれに対抗して「アップルの新たなトラッキング防止機能に代わるものを模索している」との報道もあったが、その後の続報が途絶えている。「ハードウェアに軸足を置くか、ネット広告事業を中核とするか」というビジネスモデルの違いに根ざしているのかもしれない。

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