初のデュアル充電器が登場か

アップル純正の35WデュアルUSB-C充電器がまもなく発売? 公式サイトに出現、すぐ削除

Image:Apple

アップルの公式サイトにサポート文書として「35WデュアルUSB-Cポート電源アダプタ」が出現したことから、そうした製品がまもなく発売される可能性があると報じられている。

米9to5Macが見たというサポート文書の内容は、「Apple 35W Dual USB-Cポート電源アダプタとUSB-Cケーブル(別売)を使用してデバイスを充電してください」から始まるものだったという。一時的に公式サイトに出現した後、すぐ削除されたとのことだ。

Image:9to5Mac/Apple

この製品がいつ発売されるのかは不明であり、完全に発売中止になった可能性もある(正式に発表したものの、発売中止になったワイヤレス充電マット「AirPower」の例もある)。とはいえ、「USB-Cケーブルを電源アダプタのいずれかのポートに接続し、必要に応じて電源プラグを延長してから」と具体的な使い方も書いていたそうで、存在することは明らかと思われる。

これが本当だとすれば、アップル初のUSB-Cデュアル充電器となる(従来の純正USB-C充電器は差込口が1つだけ)。35Wの電圧があれば、2台のiPhoneや、iPhoneとApple Watchなどの充電が十分にできるだろう。たとえばiPhone 13 Pro Maxの急速充電は最大27Wであり、Apple Watch Series 7の急速充電は5Wということで、2つ合わせても余裕のある数字だ。

ここで気になるのが、「GaN(窒化ガリウム)技術が採用されるかどうか」だろう。GaNは発熱と変換効率において利点があり、高温下での安定動作が可能なことから放熱構造を小さくできるため、小型・軽量化しやすいメリットを備えている。つまり「充電器をコンパクトかつ軽く」しやすい。

複数の情報源が、アップルは今後の充電器にGaNを採用すると伝えてきた。たとえば台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesはTSMCがGaN関連チップをアップルに供給すると報じ、有名アナリストMing-Chi Kuo氏も「30W対応のGaN充電器を2022年内に発売するかもしれない」とツイートしていた

すでに16インチMacBook Pro(2021)同梱の140W電源アダプタは、GaNを採用しながら、USB PDにも対応している。サードパーティが小型軽量のGaN急速充電器を続々と出しているなか、アップルもいよいよ本腰を入れるのかもしれない。

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