罰金を支払うよりブロック?

マスク氏、ヨーロッパでXをブロックか。誤情報の拡散がEU規制違反との警告から

Image:Adeel Ahmed photos/Shutterstock.com

旧TwitterことXは、最近のイスラエル・ハマス衝突をめぐり誤情報や違法コンテンツを拡散しているとみられるとして、EUの欧州委員から警告を発せられた。これを受けてXのオーナーであるイーロン・マスク氏は、誤情報を取り締まるのではなく、ヨーロッパでXをブロックする可能性があると報じられている。

今回の紛争にあたり、Xにおける誤情報などの拡散はかなり深刻だ。ビデオゲームの映像を「イスラエルのヘリコプターが粉砕される」瞬間だと偽って流したり、アルジェリアの花火大会をイスラエルによるハマスへの攻撃としたり。何より、マスク氏が自ら、デマを拡散することで悪名高い2つのアカウントをフォローするよう勧めたこともあった。

そうした事態に、EUのティエリー・ブルトン委員長は「ハマスによるテロ攻撃後、X/TwitterがEU域内で違法なコンテンツや偽情報の流布に使われている兆候がある」とXにて発言した。

添付された書面では、EUデジタルサービス法(DSA)のもと、Xが偽情報の拡散防止などを義務づけられていると指摘。Xが対応しない場合は、罰金を課す可能性があると仄めかしている。

米Business Insiderの情報筋によると、マスク氏はDSAを遵守させられることに不満を募らせているという。単純にEUでアプリの提供を停止するか、ないしEU在住ユーザーがアクセスできないようにすることを検討したとも付け加えている。

マスク氏が買収した後のXは、月間アクティブユーザー数とトラフィックともに右肩下がりとの調査結果もあった。またモバイルアプリ調査企業のApptopiaは、最近X利用の減少率が悪化していると分析。7月~9月にダウンロード数は30%近く減少し、1日のアクティブユーザーは最大40%減少した地域もあると述べていた。

もしもEUでXをブロックするなら、さらに減少率の悪化は加速するのかもしれない。

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