日本やその他の国で展開しなかったのも納得
アップルカードで巨額の損失?ゴールドマン・サックス、アップルとの提携解消か
アップルブランドのクレジットカード「Apple Card」は、アップル製品を購入したりApple Payを使った場合の還元率の高さや、高利回りの預金口座「Apple Card Savings」が注目を集めていた。
その一方、提携相手の米金融大手ゴールドマン・サックスが、Apple Cardを含めた消費者事業からの撤退を望んでいるとThe Wall Street Journalが報じている。
ゴールドマンがApple Card事業で莫大な損失を出していることは、以前から報じられていた。2022年1月~9月には12億ドル以上の税引前損失を計上し、主にApple Cardによるものだったこと。また、新規顧客1人を獲得するために350ドルを使っていたという具合だ。
また今年7月には、アップルとの提携解消を模索しているとの報道もあった。ゴールドマンはアップルの後払い決済(BNPL)サービスも支援しているが、それを含めてアメックス(アメリカン・エキスプレス)が引き継ぐよう交渉しているとのことだった。
さてWSJの新たな報道によると、アップルとゴールドマンの関係はひどく悪化しており、ある幹部は 「こんなことはすべきではなかった」と語ったという。今ではApple Cardだけでなく、消費者事業すべてを売却する方向で交渉しているそうだ。
ゴールドマンはアメックスと引き続き協議しているが、アメックス側はApple Cardの損失率などを問題視しているという。Apple Cardが米国以外に展開が広がっていないのは、ビジネスを拡大しても損失が増えるだけ、という構造的な理由のためかもしれない。
アップルとゴールドマンはiPhone向けの株取引機能を検討しつつも、新型コロナ禍の収束にともない金利の上昇やインフレが進行したなか、株で損をしたユーザーからの反発を恐れて発表を見送ったとの報道もあった。投資機能のインフラはほとんど完成しているというが、これ以上、両社が金融事業で協力することはなさそうだ。
- Source: The Wall Street Journal
- via: BGR