「もう一度MMOを進化させる」
『ウルティマ』生みの親、ブロックチェーンとNFTに特化したMMO制作に挑戦
伝説の名作RPG『ウルティマ(Ultima)』を手がけたリチャード・ギャリオット氏が、ブロックチェーンとNFT(非代替トークン)に特化した新作MMO(大人数参加型オンラインRPG)を開発する新スタジオ「DeMeta」を設立したと発表した。
『ウルティマ』は、日本を代表するRPG『ドラゴンクエスト』シリーズに多大な影響を与えたことでも知られている。
この新プロジェクトについてギャリオット氏は、1997年にMMOとして初期の商業的な成功事例である『ウルティマオンライン(略称は「UO」)』をリリースしたことを振り返っている。
同氏はUOが25年以上にわたって進化と成長を続けているジャンルを生み出したことを確認しつつ(誰もが広く認めるところだろう)、「私たちは、もう一度MMOを進化させ、再活性化させるために、同じ魔法を生み出すことを追求している」と述べている。
またMMORPG.comのインタビューによると、DeMeta氏の新プロジェクト(タイトル未定)は古典的なMMOのほか、『マインクラフト』や『Roblox』といった現代のゲームからもインスピレーションを得ているそうだ。
さらに本作では、プレイヤーは大規模な共通ワールドの一部を所有できるが、より伝統的なゲームプレイができるアドベンチャー地域も存在するとのことだ。ギャリオット氏と共同設立者のトッド・ポーター氏(『Ultima VI』にも関わっていた人物)は、このゲームは有料ではないと主張しているが、暗号通貨と密接な繋がりあるブロックチェーン技術やNFTを使うことから、プレイに金銭が深く絡んでくると推測される。
最近TwitterやInstagramをはじめとして、ブロックチェーンやNFTの導入が盛んとなっているが、一部では物議を醸すケースもある。
たとえば米レコード協会は、権利を持たないアーティストのアートワークをNFTとして販売していた音楽NFT販売サイトHitPieceを「正真正銘の盗人」と呼んでいた。
しかしポーター氏は、DeMetaのプロジェクトが多くの暗号通貨プロジェクトと異なるのは、「我々が実際にゲームの作り方を知っていることだ」と語っている。「いま世間で見かける詐欺のような業者は自らがどんなゲームを作っているのかさえ知らない」とした上で「私たちはファンベースをとても大切にしていることを理解してもらいたいと思う」とのことだ。
ギャリオット氏もポーター氏も、ゲーム業界のレジェンドといえる立場にあり、これまでの実績は疑う余地がない。とはいえ、あらゆるゲームは実際に作られた結果が全てであり、誰も見たことがない「ブロックチェーンとNFTとゲームの融合」の実現を待ちたいところだ。
- Source: DeMeta MMORPG.com
- via: Wccftech