iPhone 12の電磁波問題を解消するため

iOS 17.1、10月24日までに配信開始。フランス当局が発表

Image:afapress/Shutterstock.com

iPhone用の次期iOS 17.1アップデートは、10月24日までに一般公開されることが明らかとなった。フランス国家周波数庁(ANFR)が、アップルがiPhone 12の比吸収率(SAR)を規制の基準を満たすよう修正することを約束したというリリースの中で述べた格好だ。

フランスの規制当局であるANFRは9月12日(現地時間)、2020年に発売されたiPhone 12につき、体内に吸収しても良いとされる基準値を超える電磁波を検出したとして、現地での販売停止を命じた。

欧州の規制ではスマートフォンに関し、手に持つかポケットに入れた状態で、人体に吸収される電磁波の比率(SAR)を1時間当たり4.0W/kgまでに制限している。だが、AFNRがiPhone 12を調べたところ、5.74W/kgもの電磁波を放出していると判明したという。

アップルはANFRの検査結果に異議を唱えたが、数日前に声明を発表。そこではフランスと世界中の全てのiPhone 12ユーザーは安全に利用できたとしながらも、ANFRがiPhoneの「オフボディ検出機能」を考慮せずにテストをするミスを犯したと説明している。

この「オフボディ検出機能」とは、iPhoneを身に着けていないときに、送信出力がわずかに高くなるシステムのこと。たとえばテーブルの上に置かれているときは、iPhoneが身体の上に置かれているわけではないので、この際の出力にはSAR基準が適用されないと主張している。

そしてオフラインボディ検出は「SAR要件に準拠するための効果的なメカニズムであることが国際的に徹底的にテストされ、検証されている」としつつも、フランス国内では本機能を無効にするアップデートを配信すると予告していた。

このため、アップデート後はフランスのiPhone 12はオフボディ状態が検出されたときも、送信出力を高くできなくなるため、電波が弱い地域では、通信パフォーマンスが低下する可能性があるとのことだ。

iOS 17.1は開発者向けのほかパブリックベータ版も公開され、すでに様々な新要素が明らかとなっている。Apple Musicに楽曲を素早く「お気に入り」に登録できるボタンの追加や、インターネット経由でのAirDropといった予告済みの機能や、iPhone 15 Proのアクションボタンで誤動作が起きにくくなる等だ。

アップルがiOSのマイナーアップデート時期を明かした前例はほとんどないが、国家の規制当局には申告する他なかったのだろう。

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