見た目はほぼ一緒、機能は?
何が変わった? Pixel Watch 2を初代Pixel Watchと比べてみた
Googleは10月12日、第2世代となる自社スマートウォッチPixel Watch 2を発売した。価格は5万1800円。LTEモデルは5万9800円で、au/ドコモ/SoftBankに対応する。
ぱっと見ではPixel Watchとの外観上の区別は付きにくい。だが、リューズのデザインが若干変わっているなど、よく見ると細かな違いもある。
今回、発売に先がけてGoogleより実機をお借りした。初代Pixel Watchと比べて何が変わったのか、変わっていないのかを見ていこう。
外観上の変化はごく僅か
まずは外観から。先ほども書いたが、ぱっと見ではほぼ違いはなく、サイズ自体は41×12.3mmで変わっていない。バンドも共通で使えるので、Pixel Watch向けに高価な革バンドやメタルバンドを購入していても、そのままPixel Watch 2で利用可能だ。
ただ、よく見るとリューズのデザインが異なっている。単体で見ている場合には特に何も思わなかったのだが、Pixel Watch 2のリューズはやや下側にオフセットされている。このため、前面から見ると軸部分が隠れてすっきりとした印象になっている。
普段見えない部分ではあるが、背面のデザインは大きく変わっている。搭載している心拍センサーが従来のシングルパスからマルチパスに変更。複数のLEDとフォトダイオードを利用し、複数個所で測定を行うことで、Pixel Watchと比較して40%精度が上がっているという。常時マルチパスで測定しているわけではなく、アクティビティの強度によってシングルとマルチを切り替えているとのことだ。
とはいえ、これが正解という指標が存在しないだけに、どれだけ正確になったのか、ユーザーからはわからない。実感として正確になったかと言われると、そのような気もするというのが正直なところだ。
Pixel Watch 2の新機能
目に見える形での機能追加も、もちろんある。その一つが皮膚温センサー。Fitbitアプリで就寝中の皮膚温の変動を確認できるという機能で、Fitbit SenseやChargeシリーズなどにも搭載されている機能だ。24時間体温を計測できるわけではなく、また、温度表示にしてもいつもより1℃高い/低いなどの相対変化を表示できる。
なお、この皮膚温の計測には最低でも3日間Pixel Watch 2を装着して就寝する必要がある。この原稿を書いている時点では、まだ1晩しか利用していないので、表示に関しては直接確認できなかった。
ワークアウト機能についても、機能アップが図られている。すべてのワークアウトではなく、7種類(ランニング、ウォーキング、屋外サイクリング、室内サイクリング、トレッドミル、ボート漕ぎ、クロストレーナー)のみだが、自動検知に対応した。
試しにウォーキングをしてみたが、開始後10分ほどで記録を開始するかという通知が表示された。
開始すると、運動時間や歩数は約10分前のものから記録される。ただしGPSに関しては、開始時点からとなる。経路を正確に記録したいのであれば、手動で記録を開始したほうが良さそうだ。
面白い機能として、サイレントモードとおやすみ時間モードが、Pixelスマートフォンと同期できるようになった。一方のデバイスでサイレントモードを有効にすると、もう一方も同期してサイレントモードになる。解除する場合も同様だ。映画館等でスマートフォンだけサイレントモードにしたものの、スマートウォッチの設定を忘れて音が鳴ってしまった、なんてことはなくなりそうだ。
他の機能としては、Pixel Watch 2上で緊急時情報が確認可能となっている。ただ、これはPixelスマートフォンとペアリングした場合のみ利用できるようだ。Pixelスマートフォンにプリインストールされている緊急情報アプリで、生年月日や血液型、アレルギー、服薬情報などを登録すると、それがPixel Watch 2に反映され、リューズの長押しで表示されるメニューから確認できるようになる。
基本的には救急隊員などが確認できるようにするためのものだが、悪く言ってしまうと、この情報はロックの有無にかかわらず誰でも参照可能となる。住所なども登録できるのだが、登録するかどうかは慎重に検討したほうがいいだろう。
このほか、GmailやGoogleカレンダーアプリが利用可能となっているが、これはPixel Watch 2向けというわけではなく、Wear OS 3またはWear OS 4で利用できるもの。初代Pixel Watchでも、すでにGoogle Playからインストール可能となっている。
最後にバッテリー持ちについて。Pixel Watchの最大の弱点だったのではないかと思うバッテリー持ちだが、Pixel Watch 2はバッテリー容量が294mAhから306mAhに増量。クアッドコアCPU(Qualcomm 5100)と低電力なCortex M33コプロセッサーの組み合わせで、ディスプレイの常時表示(AOD)でも24時間のバッテリー持ちを謳っている。
常時表示を有効(デフォルトで有効になっていた)にして、ほぼ24時間身に着けてみた。21時間経過時点ではバッテリー残量10%の警告、24時間後にはバッテリー残量は5%ほどとなっていた。
なお、充電時間は30分で50%まで充電できるが、フル充電には80分かかる。Pixel Watch 2を外したタイミングで小まめに充電をしたほうが良さそうだ。
正直なところ、筆者の使い方では初代Pixel Watchでも丸1日は問題なく利用できていたので、そこまでバッテリー持ちがよくなったという印象はない。毎日の充電が欠かせないのは変わらないので、使い勝手も大きくは変わらないだろう。
ただ、皮膚温度の計測に対応したのは魅力がある。筆者は別のデバイス(Oura Ring)で1年以上皮膚温度の計測を行っているのだが、睡眠中の体温変化は意外と体調に直結していることが多いと感じている。
まだ実際の計測値を確認できてはいないのだが、問題ないようであればPixel Watch 2に一本化するかもしれない。
この原稿を書いている時点で、丸1日しか利用できていないため、結論を出すことはできない。いまのところは、皮膚温度の計測や少しだけ長くなったバッテリー持ちに魅力を感じるのであれば、買い替えてもいいかもしれない。それ以外の機能については、年内に実施される予定のPixel WatchのWear OS 4へのアップデートでその多くが対応となるはずだ。
現在Pixel Watchを利用しているのなら、このアップデートを待ってから買い替えを検討しても遅くはなさそうだ。