Pixel 8 Proとの性能差は冷却システムが不十分なためか

Google Pixel 8、早速分解される。グラファイトシートなどの冷却効果は限定的か

Image:PBKreviews

GoogleのPixel 8とPixel 8 Proは発表されたばかりだが、すでに分解動画が公開されている。最新スマートフォンをいち早く入手して、中味を解き明かすことで知られるYouTubeチャンネルPBK Reviewsによるものだ。

今回の分解はかなりシンプルなもので、6.2インチ有機ELディスプレイの裏に詰まったハードウェアのあらましを伝えている。

動画はディスプレイを慎重に取り外すところからスタート。その内側には大きめの指紋リーダーとともに、熱伝導率を高くするための銅製シールが貼られている。

そして、4575mAhのバッテリー(これも放熱用のグラファイトシート付き)が姿を現す。プルタブが付けられて交換しやすくなっているはずだが、力を込めてもタブが伸びるだけ。結局、イソプロピルアルコールで接着剤を柔らかくした上で工具を使ってこじ開けており、設計には改良の余地がありそうだ。

次にPBKreviewsは10.5MPの自撮りカメラや50MPメインセンサー、12MPの超広角カメラを取り外して確認している。またメインボードには近接センサーと環境光センサーやRAMがあり、USB-Cポートはハンダ付けである。

さらに調べてみると、RAMには過熱を防ぐためか、銅膜と熱伝導グリスが重ねられていると分かった。上述のグラファイトシートと合わせて、Googleが過熱の防止に力を注いでいることがうかがえる。

こうした努力を重ねているものの、冷却効果は限られていたようだ。同チャンネルが公開した別のベンチマーク動画では、Pixel 8の処理速度がPixel 8 Proより遅いことが示されている。

両モデルとも同じTensor G3チップを搭載しているため、Pixel 8はサーマルスロットリング(CPUやGPUの温度が上昇した際に、動作クロック周波数を落として破損を防ぐ機能)が足かせとなっているようだ。

PBKreviewsはPixel 8の修理しやすさを10点満点中7点としており、はんだ付けされたUSB-Cポートなど交換を妨げる箇所を減点している。光学5倍ズームや非接触温度センサーを新たに搭載したPixel 8 Proの分解動画も期待したいところだ。

関連キーワード: