ライバルのGalaxy S23 Ultraは冷却システム強化

iPhone 15 Proの過熱、放熱システムの妥協が原因か。解決策はプロセッサー性能を下げること?

Image:IIIARKED/Shutterstock.com

先週末にiPhone 15 Proモデルが発売されて以来、本体が過熱するとの報告が相次いでいる。高速充電中は熱くて触れない、SNSの閲覧程度でも熱くなる、ゲームをせずに電源に繋いでいなくとも……といった具合だ

この原因が、最新チップA17 Proの製造に使われたTSMCの3nm技術が未熟だからではないか、との憶測もあった。が、著名アナリストがそれは関係ないと独自の調査に基づき主張している。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏は自らのブログで、過熱の原因はアップルが軽量化のため「放熱システム設計で妥協したこと」である可能性が高いと述べている。放熱面積の減少や、チタンフレームの採用が熱効率に悪影響を与えたという。

新型iPhoneがセットアップ後、最初の24時間ほど熱くなることは珍しくない。特に、以前のiPhoneからデータを移行したり、iCloudから復元する場合は、バックグラウンドでアプリの再インストールやインデックスの再作成、システムの最適化等が行われる可能性があるからだ。

しかし、今回の過熱の報告には、発売前に入手できたユーザーも含まれており、この範ちゅうに収まってはいない。

Kuo氏は、アップルがソフトウェア更新により熱問題に対処すると予想。が、プロセッサーの性能を下げない限り(動作クロック周波数を落とす)改善は限定的かもしれないという。そして同社が「この問題に適切に対処」できなければ、iPhone 15 Proのライフサイクルを通じて出荷台数に影響が出る可能性があると見ている。

iPhone本体の過熱は、単に手で持ちにくくなるだけでなく、冷却のためサーマルスロットリング(動作周波数を下げてシステムの破損を防ぐ)が起きやすくなることでもある。実際、韓国のYouTuberであるBullsLab氏は、iPhone 15 Pro MaxのGPU性能がベンチマークが周回を重ねるごとに落ちていく様子を可視化している。

これらは日常的には大きな支障はなく、負荷の高いベンチマークやゲームだけに関わるのかもしれない。が、まさにiPhone 15 Pro用の『バイオハザード ヴィレッジ』や『デス・ストランディング』といった家庭用ゲーム機並みのソフト発売を控えている時期だけに、アップルも対応を急ぐことになりそうだ。

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