中央でナビからゲームまで管理

「Apple Car(仮)」はテスラのような“中央集中型OS”を採用か

テスラ「Model 3」(Image:Tesla)

アップルが自社ブランドの自動運転EV(電気自動車)、通称「Apple Car」を開発中だと、長らく噂されてきた。たとえば韓国のヒュンダイや傘下の起亜自動車が製造パートナー候補に上ったこともあり(ただし物別れに終わったと見られている)、すでに量産も視野に入っている可能性がささやかれている。

そんななか、Apple Carがテスラのように、中央集中型のOSを搭載し、韓国製の自動運転向けセンサーが採用されるとのサプライチェーン情報が伝えられている。

台湾の電子部品業界情報誌 DigiTimesの有料記事によると、Apple Carは「Teslaのような中央集中型のOSを採用し、韓国の工場は、DCU(Domain Control Unit/ドメイン制御ユニット)の自動運転センサー部分の開発を支援する」とのことだ。

テスラは2019年の「モデル3」から中央処理型の統合ECU(Electronic Control Unit/電子制御ユニット)を採用している。ここでいうECUとは、自動変速や車間距離制御など、自動車の様々な機能を制御するコンピュータとなる。

従来は車両に散らばっていた制御ユニットを少数にまとめる「統合ECU」が、しだいに主流となりつつある。段階的に進めている他社と異なり、テスラは一気に中央処理型に移行したことで「数年は先行した」と注目を集めたのだ。

アップルはiPhoneやiPadでソフトウェアとハードウェアをともに手がけることで、ユーザー体験の向上に成功してきた。少なくとも車体の制御部分については、Apple Carにも同様のアプローチが取られるかもしれない、ということだ。

テスラは自社の車両にIntel Atomプロセッサを搭載し、カスタム版のLinuxを走らせている。中央制御装置では、ナビゲーションのほかオーディオやゲーム、カメラなども管理している。Apple Carも「自動運転機能を備えたEV」としてテスラ車に匹敵すると期待されていることから、同じタイプのOS制御を採用することは理に叶っていると思われる。

もっとも、アップルの未発表製品に詳しいアナリスト Ming-Chi Kuo氏は、Apple Car開発チームは「一時的に」解散したため、2025年までに量産を始めるには数ヶ月以内に再編成する必要があると述べていた。たとえ開発が長引いたとしても、自動運転にすべて任せられる、安心安全なApple Carの登場を待ちたいところだ。

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