「Horizon Worlds」内での手数料

Meta(旧Facebook)がクリエイターから徴収する「メタバース税」、50%近いと判明

Image:askarim/Shutterstock.com

Meta(旧Facebook)は、アップルのApp Storeが最大30%もの手数料を取ることを批判し続けてきた。しかし同社が推進している「メタバース」内でのデジタル購入につき、50%近い手数料を取る計画が明かされて話題を呼んでいる。

今週Metaは、クリエイターがメタバースでの活動をマネタイズし、収入を得るための新たな方法を発表した。その1つが、同社の「Horizon Worlds」プラットフォーム(4月時点ではQuest VR用アプリのみを提供)を通じて仮想アイテムなどを販売できるシステムのテストだ。

Metaは公式声明の中で、どれだけの手数料を取るかには言及していない。しかし同社の広報は米CNBCに、30%の「ハードウェア・プラットフォーム」手数料(Meta Quest Storeの有料アプリやアプリ内購入の全般に課せられるもの)と「Horizon Worlds」側の17.5%の手数料を含む47.5%を徴収すると話している。

つまりクリエイターは、50%近い「メタバース税」を取られることになる。が、MetaのHorizons担当副社長はテックメディアThe Vergeに対し、この手数料は「市場においてかなり競争力のあるレート」であるとの自負を表明している

しかしMetaは、CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏を筆頭として、アップルがApp Storeの有料アプリやアプリ内購入に15 – 30%の手数料を取ることを批判してきた。それも自社のためではなく、新型コロナ禍のもとで苦しむ中小企業のオーナーらを代弁して、という体裁だ。

さらに今年6月、ザッカーバーグ氏はMetaが2023年まで有料のオンラインイベントやサブスクリプション、バッジなどをクリエイター向けに無料にし、それ以降は「アップルなどが徴収する30%より少ない手数料」になると述べていた

これを矛盾として「メタバース税」を引き下げるのか、それともメタバースを定着させるコストとして避けられないからと「税率」を維持するのか。今後のMetaの対応に注目したい。

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