ロボットが日常生活に浸透していく時代が来る?

世界初とする「ヒト型ロボット工場」、米オレゴンに建設中。年間1万体を製造へ

Image:Agility Robotics

Agility Roboticsは、将来工場で人間のスタッフとともに働くヒューマノイド(ヒト型)ロボットDigitを製造するため、オレゴン州セーラムに約6,503平方メートルの敷地を持つロボット工場を建設中だ。

この工場は年内に完成し、そこで作られるヒト型ロボットは、2024年に出荷を開始する予定になっている。そして、ロボットたちが一般発売されるのは2025年を予定しているとのこと。まず初年度は「数百の」Digitロボを製造し、その後年間1万体規模に拡大していく計画だ。

Agilityは公開した動画で、この工場をフォード最初の自動車工場になぞらえて説明し「いつか自動車のように、ヒト型ロボットが世界中に普及していくことになるだろう」と述べている。

Agilityは2022年に、Cassieと称する「脚だけロボット」で100mのギネス世界記録を樹立したことが話題になっていた。DigitはCassieと同様の鳥足タイプの下半身に、ヒト型の上半身を乗せたような格好になっている。

このような脚の仕組みにより、棚の前でしゃがんで物を取り出したりするときに、膝が前に出ないという利点がある。

実際のところ、2019年のDigit初期型は、頭部がLiDARユニットとカメラユニットのみのような形態だった。当時から荷物を運搬できる機械として考えられており、基本的なコンセプトは変わっていない。

Digitには様々なタスクの動作(主に物を持ち上げて運ぶものが多い)がプリセットされており、ゲームコントローラースタイルのデバイスでも操作(緊急停止含む)できるという。そして大規模言語モデル(LLM)を使用して、Digitに口頭で命令可能にするための実験も行っている。

Agilityは、まず自社の工場および一部顧客の工場でDigitを稼働させていくとしている。

ちなみに、ヒト型ロボットメーカーとしては中国のFourier Intelligenceが2023年末までに100体のGT-1型ヒューマノイドロボットを製造、顧客に引き渡す予定だと発表しており、Agilityの工場が世界初かどうかは議論があるかもしれない。なお、このロボットは自分と同程度の重量物を持ち上げて運ぶことができると言われている。

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