NVIDIAのAIチップも2nmに移行する見通し
2026年発売の「iPhone 18 Pro」、初の2nmチップを搭載する可能性
Appleシリコン(アップル自社開発チップ)は、iPhone 15 Pro搭載の「A17 Pro」で初めて3nmプロセス製造へと移行した。次のステップと目されるのが2nmプロセス技術だが、2026年までは実現しないと著名アナリストが主張している。
アップルのサプライチェーンに精通するMing-Chi Kuo氏は自らのブログで、アップルとNVIDIAが台湾TSMCの2nm技術に切り替える時期につき語っている。それぞれiPhone用プロセッサーとB100(次世代AIチップ。2024年発表の見通し)の次世代チップを、2nmプロセスで製造する可能性が高いという。
Kuo氏は、この2nmチップがどのアップル製品に搭載されるかを明言していない。しかし、iPhoneがアップルの主要な収益源であることから、まずiPhone用チップに最先端技術を投入するはずだ。だとすれば、2026年の「iPhone 18 Pro」搭載プロセッサー、つまり「A20」が世界初の2nmチップになると推測できる。
裏返せば、iPhone 16用の「A18 Bionic」(あるいは「A18 Pro」)、iPhone 17用の「A19 Bionic」は引き続き3nmプロセスで製造されるということだ。A14~A16が5nmチップだった(A16に使われた「N4P」は5nmプロセスの改良版)ことから、順当な見通しとも思える。
TSMCは2025年までに2nmチップ生産を始めると予告しており、その最初の顧客はアップルとNVIDIAになるとも噂されていた。だが、さらに製造コストも上昇し、ウェハー1枚当たりの価格は2万5000ドルで、3nmより25%高いと予想されている。
3nmから2nm技術への移行は、さらに消費電力の削減(バッテリー持ちの改善)と処理速度の向上に繋がるだろう。一方で、チップ製造のコスト増はiPhoneの価格に上乗せされる可能性が高い。iPhone 15シリーズの米国価格は、最上位のPro Max以外は前年モデルから据え置かれていたが、いずれアップルもコストを吸収しきれず、全モデルとも大幅な値上げに踏み切るのかもしれない。