中国での予約状況も順調なもよう

約2か月待ちの「iPhone 15 Pro Max」、“生産上の問題”で遅れ続く見通し

Image:Saim Amjid/Shutterstock.com

先週末にiPhone 15シリーズの予約受付が始まったが、最上位モデルiPhone 15 Pro Maxの出荷予定が、最長で11月10日~11月17日、つまり約2か月先となっている。iPhone 15 Proと比べて約3週間遅れ、iPhone 15/15 Plusと比べて約1か月遅れであり、それだけ供給が受注に追いついていないことが窺える。

この事態につき、著名アナリストがiPhone 15 Pro Maxは「生産上の課題」に直面していると述べている。

アップルのサプライチェーン情報に詳しいMing-Chi Kuo氏は、先週末のレポートで、iPhone 15シリーズの初期受注につき分析を語っている。

それによれば、iPhone 15 Pro Maxの需要は事前の予想通り好調で、昨年のiPhone 14 Pro Maxを上回っているという。かたやiPhone 15 Proの需要は昨年よりも弱く、その主な理由の1つは、より多くのハイエンドユーザーがiPhone 15 Pro Maxに切り替えたことだとみている。

しかし、iPhone 15 Pro Maxの予約待ちが長くなっているのは、単に需要が強いためだけではないとのこと。もう1つの要因は生産スケジュールが遅れているため、現在少量しか出荷されておらず、他のモデルよりも「生産上の問題」がかなり多く起きているからだと述べている。

iPhone 15 Pro Maxの「生産上の問題」としては、いくつか候補が考えられる。

まず7月にはiPhone 15 Pro両モデルが「新しい製造プロセス」を使っているためディスプレイ部品に難を抱えていること、8月にはPro Max専用のペリスコープ望遠レンズ関連の歩留まりが予想を下回っていることが伝えられていた。Kuo氏は詳しく説明していないが、これら複合的な要因が「かなり多く」の問題に含まれているのだろう。

他のモデルについては、iPhone 15とiPhone 15 Plusの需要は「ほぼ昨年並み」だとKuo氏は言う。結局のところ、標準モデルから高価なProモデルに大きく雪崩を打つことはなく、Proモデルのユーザー内でより高価なPro Maxにシフトするだけに留まっているようだ。

また、今月初めにThe Wall Street Journal等が「中国が政府職員のiPhone業務使用を禁止」と報じたことでアップルの株価が下落した場面もあった。

だが、Kuo氏はそれら報道が中国でのiPhone販売に与える影響はそれほど大きくないという。市場がすでに予想を下げていたため、実際のiPhone 15予約結果は予想を上回っているそうだ。

中国での販売状況はどうであれ、日本国内でもiPhone 15 Pro Maxを今から予約して、入手できるのは当分先になるのは避けがたいようだ。

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