ガジェット好きから厚い支持を集めるブランド

価格と信頼性でシェア拡大を狙うUGREEN、ポータブル電源市場にも意欲

編集部:押野由宇

9月13日から15日にかけて東京ビックサイトにて開催の新エネルギー総合展「スマートエネルギーWeek」に、スマートフォン向けアクセサリーなどで知られるUGREENが初出展。ブースでその狙いを聞いた。

まずUGREENについて軽く触れておくと、2012年に中国・深センで設立されたまだまだ若い会社だが、ガジェット好きの間では評価が高い。オンラインを中心として世界130か国以上に展開し、特に東アジア、ヨーロッパで人気を集めている。

日本では主に充電器やケーブル、ポータブルバッテリーなどのアクセサリーが好調なようだ。Ankerなど競合他社の多いジャンルではあるが、UGREENは同じようなスペックでも価格が抑えられていることが1つの人気の要因になっている。

GaN充電器などが日本でも人気を集める

それを実現するための原動力として同社が挙げるのが、まず企業努力。すでにインフラとなっているスマートフォン、そのアクセサリーもまた生活に欠かせないものであり、それを広く提供するのをミッションと考え、誰しもが手に入れやすいよう価格に設定にしているという。ただ理想として掲げるだけでなく、大量生産によって現実的にもコストを抑えるよう動いている。

早い段階からGaNなどの最新技術を採り入れるのも、また人気の理由だろう。ちなみにブランド名のUGREENは「UNITE」「GREEN」の2単語から来ているそうで、環境保護にも力を入れている。GaN採用の背景にはこういった側面もあるようだ。

UGREENの会社沿革。2012年の設立以来、1億8,900万台以上のアクセサリーを販売している

そんなUGREENが2023年、ポータブル電源に乗り出した。「PowerRoamシリーズ」としてバッテリー容量の異なる「GS600」「GS1200」「GS2200」をラインナップ。ソーラーパネルとの同時展開で、アウトドアや災害時のバックアップ、コンセントのないガレージでのDIY用途などに向けて押し出していく。

UGREENのポータブル電源を支える技術としては、約1.5時間でゼロからフル充電できる「PowerZipテクノロジー」、高負荷機器に対応するハイパワー出力「U-Turboテクノロジー」が挙げられる。そして従来のリチウムイオンバッテリーの6倍の寿命を持つという電気自動車規格の「LiFePO4バッテリー」の採用により、サイクル寿命3,000(80%)を実現しているのも特徴だ。スマートフォンでいえば、GS600は50回、GS1200は73回、GS2200では136回のフル充電を可能としている。

最も大容量の「GS2200」

バッテリー電源においては、すでにJackeryやEcoFlowなど強い競合が存在している。それでも市場にチャレンジするのは、勝算を見出しているからだろう。1つはリーズナブルであること。スマートフォンのアクセサリー同様に、高い価格競争力を武器にシェア獲得を狙う。

もう1つ、製品の信頼性も根拠になりそうだ。というのも、既存のアクセサリー分野において、UGREEN製品の不良率はかなり低いらしい。ポータブル電源はいざ非常時に利用できない、では話にならない。ポータブルバッテリーなどで培ったノウハウを活かした安定・安全性があるモデルであれば、ユーザーとしても安心できる。

今後はオンラインだけでなく、オフライン展開にも力を入れていくようだ。そうしてシェアが拡大すれば、新たな製品がまた手頃な価格で登場することにも期待できる。これからのUGREENの動向に注目したい。

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