Vision Proのために買い替える人がいる…?

AirPods Pro(第2世代)、Lightning版ではVision Proのロスレス使用不可

アップルは12日、USB-C充電ケース付きの第2世代AirPods Proを発表した。iPhone 15のUSB-C搭載と軌を一にする動きであり、これ自体は好評を呼んでいる。

しかし、同じ「AirPods Pro(第2世代)」と呼ばれながら、アップルの空間コンピュータVision Proでのロスレスオーディオ機能が使えるのは新型のみで、従来のLightning充電ケース付きモデルでは動作しないことが明らかとなった。

新USB-C版旧Lightning版も、基本スペックは全く同じだ。どちらもH2プロセッサーを搭載し、内蔵センサーにも差異はなく、Bluetooth 5.3対応であることも変わりない。異なるのは、新型に防塵性能が追加されただけである。

この件につき著名ジャーナリストMark Gurman記者が確認したところ、アップルは「Vision Proのロスレスオーディオ機能は、第2世代のUSB-C AirPods Proが必須であり、昨年の第2世代AirPods Proでは動作しない」と明確に答えている。

その理由は明かされていないが、もしかしたらH2チップのわずかなアップデートかもしれないし、あるいはBluetooth通信がひそかに拡張されているのかもしれない。AirPodsでロスレス実現の壁となっているのがBluetooth帯域の狭さであり、アップルが独自プロトコルを開発中との噂もあった。

また、アップルがUSB-C充電ケースを単品では販売しないことも確認済みである。

つまり、同じ「AirPods Pro(第2世代)」という製品名で、中味が異なるものが併存することになる。iPhone 15からのUSB-C充電や、Vision Proでのロスレス再生を望むなら、たとえ旧型を持っていても、新型をケースとセットで買うしか選択肢がないわけだ。

まだ発売はしばらく先(米国外では2024年末)のVision ProやUSB-C充電が、買い換えの動機になるのかどうかは不明だ。今後、アップルがUSB-C充電ケースを単品販売するのか、またはソフトウェア更新で旧型もVison Proでのロスレス再生に対応するのか。今後の動向を見守りたいところだ。

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