20万人減の2億2,160万人に
Netflix、約10年ぶりに加入者が減少。パスワードを使い回す不正ユーザーへの締め付けを強化か
米動画配信サービス大手のNetflixは、2022年第1四半期に加入者数が(直前の第4四半期から)、20万人減の2億2,160万人になったと発表した。加入者の減少は2011年10月から約10年ぶりだが、次の第2四半期では最大で200万人を失う可能性もあると見積もられている。
Netflixは株主宛ての書簡で、収益の伸びがかなり鈍化したことを認めていると伝えられている。新型コロナによるステイホームの風潮が、2020年の成長を大幅に増やしたが、2021年に成長が鈍化した原因のほとんどはその反動だ、といった趣旨が説明されているという。
また3月にはロシアによるウクライナ侵攻を受けて、Netflixはロシアでのサービスを停止した。本日の決算報告によると、その結果として約70万人の加入者を失ったそうだ。それでも2億人超の加入者を維持しているNetflixは、依然として最大の動画配信サービスには違いない。が、すでに数々の難題に直面している。
まず1月にNetflixは2年ぶりに北米で月額利用料の値上げを発表したが、最新の決算報告ではその余波が表れている。同社は米国とカナダで60万人の顧客を失ったとしつつ、これは「主に価格変更の結果であり、予想通りに推移している」と発表した。
またNetflixは現在、1億もの世帯が共有パスワード、つまり「別々の世帯が同じアカウントを使い回している」(規約では違反行為)と見積もっており、これにより「多くの市場で会員数を増やすことを難しくしている」とも述べている。
同社にとって共有パスワードが頭痛の種であることは以前から窺われており、昨年3月にも再生しようとするユーザーがアカウント所有者ではないと検知したときに警告する仕組みを模索しているとの報告もあった。また今年3月には、共有パスワードを使うユーザーに料金を支払わせるテスト中だと正式に発表されている。
最近のNetflixはより具体的なお勧め作品を提案するための「最高!」ボタンを導入したり、会員向けに無料ゲームを提供するなど、テコ入れに奔走している。
しかし新型コロナ禍による巣ごもり特需は消えつつある一方で、ただでさえ強力なライバルである「Disney+」が年内には広告付きの低料金プランを導入するとも発表している。Netflixが苦境から抜け出すのは難しいのかもしれない。
- Source: The Verge