結局やはりAIはダメと。
“AIドレイク”楽曲、グラミー賞の対象外に。「人間の創作者のみ」主催者が再強調
米Recording AcademyのCEO、ハービー・メイソンJr.紙は先週、New York Timesに対し、AIで模倣したドレイクらの声を使用した楽曲『Heart On My Sleeve』がグラミー賞の対象になる可能性があるとの発言をした。しかし、現在はそのことについて否定している。
メイソンJr.氏は、GhostwriterがYouTubeや各種音楽配信プラットフォームで公開していた『Heart On My Sleeve』について、「クリエイティブな側面に関して、それは人間によって書かれたものであるため、完全に対象と見なしている」と述べていた。
しかし、新たにInstagramに投稿した動画では「申し訳ありませんが、これから広まりつつある誤った情報の一部を明確にしたい」述べ、「このA.I.ボイスモデリングを使用したバージョンの『Heart on My Sleeve』は、ドレイクとザ・ウィークエンドのように聞こえるが、グラミー賞の対象にはならない」と以前の考えを翻した。
そして、その理由として「それはたとえ人間のクリエイターによって書かれたものであっても、ボーカルは合法的に入手されたものではなく、レーベルやアーティストの許可を得たものでもない」ため、対象外だと述べた。
さらに「すべてが複雑で、本当に、本当に慌ただしく動いている。これからも物事は進化し、変化していかなければならないだろう。でも、どうか混乱しないでいただきたい。アカデミーは、人間のアーティスト、そして人間のクリエイターを支援し、擁護し、保護し、代表するためにここにある」と強調した。
メイソンJr.氏はこの楽曲がグラミー賞不適格とした理由について、曲がAIを使用しているかどうかは特に言及せず、むしろボーカルが合法的に取得され、許可を得て使用されているか、そして、曲が商業的に入手可能かどうかに焦点を当てている。
Recording Academyは、AIを使用して制作楽曲に関して「対象となるのは人間の創作者のみであり、人間による著作が存在しない作品はどのカテゴリーでも対象外だ」としている。
なお、New York Timesによると、Ghostwriterはユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)からの著作権侵害の主張によって『Heart on My Sleeve』を各種プラットフォームから削除したものの、レコード各社や音楽配信プラットフォームと会談する機会を持ち、楽曲を再び公開するための道を探っていたとされている。
そして、新たにトラヴィス・スコットと21サヴェージのAI模倣ボーカルを使用した新曲『Whiplash』を公開。また、すでに2024年のグラミー賞の年間ベストソングと最優秀ラップソングに『Heart on My Sleeve』をエントリー申請したと述べている。