住宅用への展開も
<IFA>ポータブルバッテリーは欧州でも注目/Jackeryから“リュックに入る”新モデル
年々注目度が高まっている「ポータブルバッテリー」。日本では災害用としての面も強いが、欧州では別の側面から注目されているようだ。
ドイツ・ベルリンで9月1日に開幕した、世界最大級のコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA2023」。注目度を表すかのように、Jackery(ジャクリ)をはじめとして、EcoFlow、BLUETTIなどポータブルバッテリーで知られるブランドが大々的にブースを展開している。
Jackeryといえば、日本ではJVCとのパートナーシップでご存知の方もいるかもしれない。同社はIFAに合わせて、ポータブルバッテリー新モデル「Explorer 300 Plus」および「Explorer 1000 Plus」を発表。早速ブースでも披露されている。
Explorer 300 Plusは “バックパックで持ち運べる” とするコンパクトなモデル。質量は3.75kg/外形寸法は23×15.5×16.7cmで、バッテリー容量は288Wh、出力は300Wとなっている。折りたたむと25×30cmで展開すると97×30cmになる、40W対応のミニソーラーパネル「SolarSaga 40 W」とのセットも用意する。
Explorer 1000 Plusは、リン酸鉄リチウムバッテリーを使用するモデルで、出力は2000Wに対応。バッテリー容量は1.26kWhだが、別売のバッテリーパック(最大3つ)によって最大5kWhまで容量を増やせる。4,000回の充放電サイクルで毎日使っても10年以上という耐久性や、30dB以下という静音性もアピールされている。外形寸法は35.6×26×28.3xmで、質量は14.5kg。ソーラーパネル「SolarSaga 100」(2つ)とのセットも用意される。
今回のIFAでは「サステナビリティ」が大きなトピックとなっており、環境への優しさをアピールするブランドのブースも多い。Jackeryのブースはアウトドアな雰囲気でデザインされており、先の2製品でも触れた “ソーラーパネル” によって「グリーンエナジー」が実現できることも訴求されていた。
これはEcoFlowやBLUETTIなど、他のポータブルバッテリーで知られるブランドも同様。そして欧州という地域性もあるのか、ポータブルバッテリーを外出先で使うだけでなく、その技術を生かして “自宅に電力を供給する” ソリューション提案が目立った。
まずEcoFlowに目を向けると、同社が今年発表した住宅用ソーラー発電に用いるバッテリー「EcoFlow PowerOcean DC Fit」をアピール。加えて “ベランダ発電所” やキャンピングカーなど、ソーラーパネルを用いた発電&バッテリーによる電源といったソリューションも展示。また同社はIFAに合わせて、家庭用蓄電池の新製品「EcoFlow DELTA Pro Ultra」も発表。太陽光発電の住宅におけるバックアップ電源としての役割も果たすという。
BLUETTIも同じく、家庭用の蓄電池ソリューションをアピールし、9.9kWの容量をもつ蓄電システムの新製品「EP760」を披露。別売モジュールにより39.6kWまで容量を拡張できるという。そのほか、リン酸鉄リチウムイオン電池採用モデル「AC60P」および「AC180P」も押し出していた。
そのほかAnkerは、ポータブルバッテリーの新製品として、1056Whの容量を備える「Anker SOIX C1000」、そして3.84kWhの「Anker SOLIX F3800」を発表している。またアウトドア用品で知られるGoal Zeroも、既存製品ではあるが容量505Whの「Yeti 500X」などを展示しつつ、ソーラーパネルとの組み合わせても紹介していた。