運営は事前確認で止めなかったとのこと

「NFTは悪夢」とゲーム会社CEOが講演。リスナーは拍手喝采、スポンサーは怒る

Image:Voar CC/Shutterstock.com

ここ最近、ゲーム業界ではNFT(非代替性トークン)とブロックチェーン技術が大きな話題だ。たとえば大手パブリッシャーではUbisoftが昨年末にNFTプラットフォーム「Ubisoft Quartz」を発表し、PC版『ゴーストリコン ブレイクポイント』に試験導入。またセガもNFTやメタバースの要素を取り入れた「SuperGame」構想を打ち出している

そんななか、ブラジルの国際ゲームフェスティバルで「ゲームにNFTを導入することは悪夢だ」との講演が行われたことが注目を集めている。

これまでも、ゲーム業界内からNFTへの反対意見は相次いでいた。インディーゲーム配信プラットフォームのItch.ioは「NFTは詐欺だ」と公言し、Blizzardの社長もNFTに関わるつもりはないとツイートしている。

その大合唱に、RPGゲーム『Relic Hunters Legend』を開発したRogue Snail社のCEO、Mark Venturelli氏が加わった格好だ。

本来のテーマは「ゲームデザインの未来」だったが、同氏は反NFTの講演を行い、イベントに関わるスポンサーの一部を落胆させたと伝えられている。一方で講演後、聴衆からは盛大な拍手を受けたそうだ。

講演後にPC Gamerの取材に応じたVenturelli氏は、もとよりゲームデザインの未来を話すつもりはなかったという。自分がゲーム業界で15年間見てきたあらゆるトレンドを語り始め、最近の新たなトレンドにも言及。そこで講演の名前に引っかけて「NFTが悪夢である理由」に持っていったそうだ。

同氏によれば、「スポンサーがすごく怒ったらしいんだ。私が話している最中に乱入しようとしたけど、運営組織がそれを許さなかった」という。講演の前にスライドを見せたものの、運営側は一度たりとも検閲したり、表示を止めようとしなかったそうだ。

またVenturelli氏は、プレイヤーが他のゲームに移行する際に、ゲームアイテムを転売してリアルマネーを得ようとする考えは全く健全ではない。そのような経済システムでは、大きなグループが個人の首を絞めることになるからだ、と述べている。

実際、Play to Earn(遊んで稼ぐ)が可能なブロックチェーンゲームでは、NFTを保有するグループが貧しい人々にNFTを貸し出し、彼らがゲームプレイで得た利益を吸い上げるシステムが普及しつつある。これは大地主が農地を小作人に貸し出して搾取した再現ではないか、との声もあるほどだ。

そうした構造的なリスクは、NFTを取り入れたあらゆるゲームに潜んでいる。ブロックチェーンゲームに名乗りを上げる大手パブリッシャーは、「NFTはゲームの悪夢」を防ぐ対策が求められそうだ。

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