X Premium登録者が広告を見ないとダメ

890万フォロワーの米インフルエンサー、「X」の月間収益分配が約23万円と明かす

Image:izzuanroslan / Shutterstock

Twitter改めXは、今年7月からクリエイター広告収益分配プログラムを開始した。ユーザーの投稿の返信に表示される広告の閲覧数に応じて、ユーザーにその広告の収益を分配するというものだ。

開始当初、何人かの著名Xユーザーが、数千ドルから数万ドルという大金をこのプログラムからもらったとプラットフォームに報告したため、プログラムへの参加を検討した、またはもう参加したというユーザーもいるだろう。

このプログラムに参加するにはまず、X Premiumサブスクリプション(以前のTwitter Blue)に加入する必要がある。またそれ以外に、フォロワー数500人以上、過去3か月のインプレッション(投稿閲覧数)500万回以上などといった条件をクリアしていなければならない。

それでも、最初の条件さえクリアしてしまえば、あとはどんどんX(Twitter)に投稿していくと、インプレッションは増えてゆき、投稿に付随して表示される広告も閲覧され、その数に応じた支払いが受けられるようになる…はずだ。

そして、このプログラムに参加したチャンネル登録者2410万を誇る人気YouTuber、KSI氏は、自身のビデオポッドキャストで、この広告収益分配プログラムによる直近1か月の分配額を公表した

その額は、1590ドル。日本円にして約23.2万円だった。

KSI氏のX(Twitter)フォロワー数は890万人にのぼる。また毎月のXでの合計閲覧数はコンスタントに数億回を稼ぎ出しているという。それでも、1か月のツイートからの広告収益が約23万円だったわけだ。23万円も貰えれば生活していけるというのも間違いではないが、890万人のフォロワーがいてこの収益額では、正直なところ割に合わないという人が多いのではないだろうか。

ここでカギとなるのは、広告のインプレッションの収益対象になるのが、X Premium登録者からの閲覧に限定されるというところだ。つまり、どれだけ多数のフォロワーがいても、X Premiumに支払っているユーザーの割合が低ければ、いくら広告の閲覧があっても収益にはつながらない。またX Premiumは登録者への広告表示数が半分になることを特典として謳っている。つまり、広告収益分配プログラムの収益源となる広告閲覧数は、もとから伸びにくくなっているわけだ。

また、プログラム開始当初に数千ドルから数万ドルを得たというクリエイターたちは、そのほとんどが、もともとマスク氏がフォローしているお気に入りの人々だった。彼らの投稿をマスク氏がリツイートしたりすれば、それで閲覧数も大きく伸びたと考えられる。そして、それらのクリエイター自身のフォロワーもマスク氏のファンが多く、X Premium登録者である割合も高い可能性が考えられる。

結局のところ、X(Twitter)の広告収益分配プログラムは、自身もフォロワーの多くもX Premiumに登録しており、頻繁にバズる(または炎上する)投稿を生み出す手腕がなければ、まとまった額を得るのは難しいようだ。

ちなみに、8月上旬には日本の人気インフルエンサーのひろゆき氏(Xフォロワー数約290万)が、Xの広告収益分配プログラムから約36万円を上取ったと報告していた。しかし、この額は最初の支払いまでの6か月分の合計と考えられ、1か月あたりでは6万円程度と推測されている。

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