探査車プラギャンも順調

インド月面探査機から月面着陸の映像届く。着陸地点の温度データも受信

Image:ISRO

インド宇宙研究機関(ISRO)が月面に送り込んだチャンドラヤーン3号の着陸機(ランダー)ヴィクラムから、月面着陸の際の連続写真風動画と、探査車(ローバー)プラギャンの展開の様子を捉えた映像が公開された。

ISROは木曜日、ランダーが着陸地点に接近し、地表にタッチダウンする際にほこりを巻き上げる様子も含まれた動画を投稿した。そして翌金曜日には、ヴィクラムからランプを使って月面に降り、走行していくプラギャンの様子を公開している。

その後ISROは、プラギャンがヴィクラムから8mほど離れた位置まで走行していく様子も公開した。

さらに月曜日には、プラギャンが行く手を4m大のクレーターに阻まれ、進路を修正したことなども報告された。

一方ヴィクラムのほうは、月の南極地域の表面における熱的な振る舞いを調べるための科学機器「ChaSTE(Chandra’s Surface Thermophysical Experiment)」を使い、そのプローブを地面から10cmの深さに差し込み、深さごとでの月面のごく浅い地中の温度変動データを測定している。こちらはISROがデータをグラフ化し、X(Twitter)に公開した。

ISROは、これが月の南極地域における初めての統計分析情報だと述べ、今後も月の地震、鉱物組成、月の表面近くの電子とイオンに関する調査などといった、詳細な観測を進めていくとしている。

なお、各国の宇宙機関だけでなく、我々も特に気になるのは、着陸地点付近に水(の凍ったもの)が本当にあるのかということだ。そのなかでインドは、今後の計画として、日本のJAXAとの国際協働ミッション「LUPEX」の準備を進めている。LUPEXミッションでは、既存の観測データから水の存在が予想されている月の南極地域において、その場観測によって水(H₂O)がどれぐらいあるのかを示す実際のデータを測定する。また、それとともに月極域における水の分布、状態、形態等を明らかにすることを目指している。

そのほか、LUPEXミッションでは、将来の月面活動に必要な「移動」「越夜」「掘削」等の天体表面探査技術の獲得も目標事項としており、現在は2025年の打ち上げ実施を目指している。

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