ビジネスモデル「VAIO Pro PG」も同時展開

VAIOの13.3型ノートPCに初の16:10画面機。コンパクトかつ生産性高めた「S13」

編集部:平山洸太

VAIO S13/VAIO Pro PG 新モデルが発表

VAIOは、個人向けの13.3型ワイドノートPC「VAIO S13」を9月8日に発売する。カラーはブラックとブロンズをラインナップ。

「ビジネスモバイルPCのベストバランス」として、ディスプレイにVAIO初のアスペクト比16:10を採用するモデル。“スタンダード” モデルであるFシリーズと “ハイエンド” のSXシリーズの間に位置する、“アドバンスド”モデルのSシリーズの新製品となる。法人向けモデル「VAIO Pro PG」も用意しており、こちらは8月29日から受注開始する。

ディスプレイサイズは13.3型ワイドで、解像度は1,920×1,200。上述の通り16:10のアスペクト比を採用することにより、14.0型ワイドとほぼ同じ縦幅を実現し、ウェブ閲覧やオフィス作業に最適だとアピールしている。

コンパクト軽量設計により、かばんや事務机にもすっきり収まるように配慮。外形寸法や質量は仕様によって若干異なってくるが、約299.3W×221.1H×17.7〜19.6Dmm、約1,072〜1,084kgとなる。14.0型ワイドよりも狭いフットプリントのため、狭いスペースでも快適に作業できるとしている。バッテリー駆動時間は約21.5時間。バッテリー駆動時間を少しでも長くする、バッテリー節約設定も搭載する。

LTEに対応する構成も用意。個人向けモデルとして同社で初めて、nanoSIM+eSIMのデュアルSIMに対応する。用途や目的によって使い分けできるほか、通信障害などの回線状況に合わせて切り替えることも可能だ。またビジネス用途ではeSIMを利用することで、物理的なSIMカートがないためすぐ契約して使用でき、IT管理部門の負担を減らせるとしている。

物理SIMとeSIMのデュアル対応

無線通信用のアンテナを、PC利用時に最も高い位置となるディスプレイ上部に配置。電波を反射・吸収する金属製のオフィスデスクや、PC内部からのノイズを受けにくくすることで、通信の安定性を追求している。なお実現にあたり、本モデルでは狭額縁化により現行モデルから4mmほどアンテナ幅が減少してしまうため、部品の配置や形状を見直しつつ、VAIO初となる一体型の「WLAN+WWANコンボアンテナ」を開発したという(従来はLANとWANのアンテナは別々だった)。

無線LANと無線WANのアンテナが一体型となったコンボアンテナを新たに開発

カメラモジュールには「TNR(Temporal Noise Reduction)」を採用し、解像感を追求している。これはFシリーズやSXシリーズにも備わっている技術で、時間軸で前後のフレームをチェックしてノイズ処理を行うというものだ。またカメラでは、目のクマや肌のシワをなめらかにする美肌効果も搭載する。

カメラシャッターを装備

カメラにはシャッターを搭載し、使わないときにプライバシーを守ることが可能。また、指紋認証と顔認証をすべての構成でサポート。オフィスや在宅では顔認証、外出時は指紋など、状況に応じて使い分けられる。

CPUには、第13世代のインテルCoreプロセッサーを採用。搭載するモデルは構成によって異なるが、個人向けはCore i7/i5/i3、法人向けはCore i7/i5をラインナップする。メモリ(LPDDR4)は8GB〜32GB、ストレージ(PCIe)は約256GB〜1TB。

本体の内部イメージ

インターフェースは、USB Type-A(USB 3.0)×3、HDMI出力、RJ-45、ヘッドホン端子、電源端子、セキュリティーロック・スロット。これに加えてUSB Type-C端子を搭載しており、USB PD、USB 3.1、DisplayPort 1.4をサポート。なおLTEモデルでは、Thunberbolt4/USB4にも対応する。

左右インターフェース(画像はThunderbold4非対応モデル)

ハイエンドモデルと同等の試験を行っており、持ち運びにおける信頼性や堅牢性を追求したフラットなパームレストには、アルミ素材を使用。キーボードもハイエンド同等のものを採用し、キートップについては特別配合したUV硬化塗装により、耐指紋・防汚処理を実施。摩耗と皮脂油によるテカリも防止している。また本モデルも「安曇野FINISH」として、綿密な品質検証をアピールする。

フラットアルミパームレストを採用

ディスプレイ部分を展開することで筐体が持ち上がるチルトアップヒンジを採用。またヒンジは180度開く設計となっており、Fn+F2キーを押すことでディスプレイ回転にも対応する。ディスプレイを閉じた際には、本体後部への指がかりの良いデザインを採用し、バッテリーの位置についても持ち運び時の重量バランスに配慮している。

チルトアップヒンジを採用

カラーは冒頭の通り、ブロンズとブラックの2色展開。このうちブロンズは「VAIOの定番カラーと言っていいほど人気」とのことだが、13.3型ワイドでは初の採用となる。またブロンズ色にはこだわりがあり、特に一番目につくパームレストについては、ヘアライン圧によって輝度、染色時間の違いによって色合いなどが変わるため、色の決定に苦労したとのこと。この色が決まってから、その他の部分の色を決めていったという。

写真ではわかりにくいが、各工程の組み合わせで色の印象が変わる

アクセサリーとして、覗き見を防止するフィルターをラインナップ。VAIO S13およびVAIO Pro PG専用設計となっており、脱着も容易に行える。なお画面縦横比が異なるため、従来のVAIO S13/VAIO Pro PGには対応していないとのこと。ほか、Type-C ドッキングステーション、Type-C 4Kマルチモニタードッキングステーションなど、既存アクセサリーもサポートする。

専用アクセサリーとして、のぞき見防止フィルターを用意

そのほか環境への配慮として、液晶を除く外装部の約50%を無塗装にすることで、環境負荷の高い塗装工程を削減。ベゼルとヒンジカバーに再生材入りの材料を採用し、循環型社会の実現を目指したとしている。また、紙の封筒に同梱する印刷物を封入するなど、包装材のプラスチックの削減にも配慮している。

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