画面下Touch IDは期待薄

2年後のiPhoneで「本当の全画面」が実現か。Face IDとカメラが画面下に移されるとの予測

Apple iPhone13シリーズ(Image:Apple)

今年の次期フラッグシップiPhone 14(仮)シリーズのうちProモデルは「ピル+パンチホール」、すなわち画面に2つの穴(ピル=錠剤のような横長と丸い穴)が開けられると予想されている。そしてその2年後(2024年)となるiPhone 16 Pro(仮)モデルでは、顔認証のFace ID部品と前面カメラがディスプレイの下に完全に隠されて「本当の全画面」デザインになるとのアナリスト予測が伝えられている。


アップルの未発表製品に詳しいアナリスト Ming-Chi Kuo氏はツイートで、「本当の意味での全画面(前面がすべてディスプレイに覆われた)iPhoneは2024年に登場すると思います。2024年のハイエンドiPhoneは、アンダーディスプレイのFace IDとフロントカメラを採用するでしょう」と述べている。

さらにKuo氏は「フロントカメラの画質には低照度条件が不利で、画質向上にはISP(映像信号を処理するプロセッサ)とアルゴリズムが重要」とも付け加えている。つまりカメラ部のレンズやイメージセンサーなどハードウェアの進歩だけでなく、画像を鮮明にさせるプロセッサやソフトウェアの改善を待つ必要がある、ということだろう。

Kuo氏は以前から、いずれ画面下にFace ID部品を移した(ディスプレイに穴を開けない形での)iPhoneが実現すると予想していた。昨年春には2023年のiPhone 15(仮)世代で「ノッチ(画面上部の切り欠き)が大幅に小さくなる」という不完全な形で実現すると述べていたが、完全なアンダーディスプレイになるにはあと1年かかる模様だ。

またKuo氏は先日も「ディスプレイに穴あきなし」の画面下Face IDがiPhone 16世代で実現すると言いつつ、その理由は技術的な理由よりもマーケティング上の理由からだと説明していた。今回もタイムスケジュールは変わっていないが、上記のように「技術的な」課題が示唆されている点で見解が修正されている。品質に妥協がないアップルだけに、さらに遅れる可能性もあるのかもしれない。

一部ではFace ID以上に人気が根強い指紋認証のTouch IDだが、こちらも将来的には画面下に埋め込まれて「ホームボタンをなくして全画面デザインとなりながら、画面内で指紋認証できる」との噂話が盛り上がっていたことがある。

しかしKuo氏は、少なくとも2023~2024年には画面下Touch IDが採用される可能性は低い。なぜなら「マスク姿でFace ID」(iOS 15.4以降/iPhone 12および13シリーズのみ)が実現した今となっては、必要が薄いとの趣旨を述べていたこともあり、しばらく期待できなさそうだ。

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