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ヒト型ロボット「Apollo」発表。“工事現場から配送、介護まで”謳うなんでもロボ
テキサス州オースティンのスタートアップ企業Apptronikが、汎用ヒューマノイド「Apollo」を発表した。「友好的な相互作用、大量生産可能性、パフォーマンス、安全性を備えた、初めての商業用ヒューマノイドロボット」を謳うこのロボットは「人間のために設計された職場環境で、人間と協力して働くことを目的として開発されたという。
特に適していると想定されるのは「倉庫とサプライチェーン」ということで、わかりやすくいえば物流や製造の現場で資材や製品の入った重いケースやカートを移動・運搬することが、おそらくこのロボットの得意分野になるだろう。
Apptronikの共同創業者兼CEO、ジェフ・カルデナス氏は「人々は過酷な条件でロボティックな、体力を要する仕事をしたくないし、もはやそうする必要もない。ヒューマノイドロボットは、これに対する答えだけでなく、必要不可欠な存在だ」と述べている。
Apptronikといえば、2013年にNASAと共同でヒト型ロボット「Valkyrie」を開発したことで知られている。これは米国防総省が行ったロボット技術開発コンテスト「DARPA Robotics Challenge(DRC)」の一環で製作された物だが、このときの経験もあって、NASAは昨年新世代の汎用ロボット開発に協力する民間パートナー企業としてApptronikを選定している。そしてこのコラボレーションによって生み出された最初のロボットがApolloということになる。
Apolloはだいたい人間と同じサイズで設計されている。その体格は約172cm、約72.6kgといったガッチリ型で、25kgぐらいまでの重量物を持ち上げる力を備えている。よくある1本腕の産業用ロボットではなく、人と共存しやすいよう、ユーモラスな顔を持つデザインとともに、人々のいる場所で安全に機能するための出力制御機構も備えているという。
少し物足りないのはスタミナで、動力源であるバッテリーの連続動作時間は約4時間。朝8時に朝礼を済ませたら、お昼にはもうへばってしまう。そのためか、バッテリーは交換式を採用してすぐに戦線復帰が可能なようになっている。プレスリリースには「バッテリーベースのアプローチが、Apolloの作業アウトプットの向上と顧客ユーザーの運用効率向上をもたらす」と説明されている。
Apptronikは、Apolloを仕事に適応させることができるロボットだと説明しており「人間中心のビジョンを実現し、産業環境で危険で汚れたタスクを実行し、将来的には無限の応用を実行することを目指している」と説明している。ただし、1体あたりの価格がどれぐらいになるのか、発売時期がいつ頃かはリリースには示していない。
同様のヒューマノイドロボットとしては、テスラのヒト型ロボットTesla Bot(開発名:Optimus)や、そのコピーロボットのようなXiaomiの「Cyber One」がある。こうしたロボットのなかのどれが、本当に実用に供する形で世の中に出てくるのか、楽しみに待ちたいところだ。
- Source: Apptronik(1) (2, PR Newswire)