GPT-4にも今秋導入へ

OpenAI「GPT-3.5 Turbo」にファインチューニング機能。用途に合わせてカスタム可能に

Image:OpenAI

OpenAIは、GPT-3.5 Turbo(GPT-3.5の軽量版)にファインチューニング機能を追加したことを明らかにした。ファインチューニング(微調整)とは、OpenAIの顧客が独自に用意したデータをAIに学習させ、特定の分野でのAIの信頼性を向上させることだ。

OpenAIは「GPT-3.5 Turboのリリース以来、開発者や企業はユーザーにユニークで差別化されたエクスペリエンスを生み出すためにモデルをカスタマイズする機能を求めてきた」とし、それに応えるのが今回の機能追加となる。同社は、ファイチューニングを行うことで、追加学習させた分野においては、GPT-4が持つ基本能力と同等、またはそれ以上のレベルにGPT-3.5 Turboを強化できると述べている。

APIを介してGPT-3.5 Turboを使用する顧客企業は、ファインチューニングを行うことで、常に特定の言語で応答するようにしたり、モデルの応答のフォーマットに一貫性を持たせたり(たとえばプログラムコードの補完など特定のフォーマットでの回答)、回答として出力される文言の「雰囲気」を洗練させ、ブランドイメージなどに、より適合させられるようになるとOpenAIは述べた。

さらにファインチューニングにより、OpenAIの顧客はテキストプロンプトを短縮してAPIコールのスピードを上げ、コストを削減できるとも述べている。GPT-3.5-Turboのファインチューニングでは、以前のモデルの2倍となる4000トークンを処理できる。初期のテスターの一部は、モデル自体に命令を微調整することでプロンプトのサイズを最大90%削減し、各API呼び出しの高速化でコスト削減もできたとのことだ。

なおOpenAIは、ファインチューニング用のAPIを介して送信されるデータは顧客の所有であり、OpenAIやその他の組織がそれらのデータを、他のモデルのトレーニングに使用しないことを強調している。

そのほか、テキストに加えて画像の解釈も可能なGPT-4においても、ファインチューニングのサポートを今秋後半には提供する予定だとOpenAIは述べている。ただ、こちらはそれ以上の詳細に関してはなにも情報が出ていない。

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