けが人がなかったのが幸い

大阪万博で飛行予定の「空飛ぶクルマ」試験機が墜落事故

Image:Vertical Aerospace

英国でeVTOL(電動垂直離着陸機)を開発する企業Vertical Aerospaceが、エアタクシー用として開発中のeVTOL機「VX4」のテザーなしでの試験飛行において墜落事故を起こした。幸いにも無人かつ遠隔操作での試験であったため、怪我人などは出ていない。

この試験飛行は将来、乗客を乗せての運用を実現するにあたっての重要な要件であるモーター故障を想定したものだった。VX4は高度約6mという、ごく低い高さからバランスを失って墜落したとのことだが、報道された現場の写真を見る限り、炭素繊維でできた機体の右翼部分が大きく曲がり、機体前方のローターも破損している状況だ。

また、落下の衝撃にもかかわらず、エネルギー源であるリチウムイオンバッテリーのパックには破損はなく、出火することもなかったようだが、空港の消防隊は、時間差で出火するケースもあり得ることから懸念を持って調査しているという。

英ブリストルに本拠を置くVertical Aerospaceは、2022年9月に5人乗り(パイロット1人+乗客4人)VX4の初のテザーつきでのホバリング飛行試験を完了させた。英民間航空安全庁(CAA)は、今年3月に最初の設計組織承認(DOA)を発行し、7月にはテザーなしでの飛行試験を実施、速度40mph(約64km/h)での飛行を達成している。

8月3日に発表された株主への資料によると、Vertical Aerospaceは「今後数か月以内に本格的な有人推力飛行」を行う計画だとしていた。また現在、2機目のVX4プロトタイプがブリストルで組立中で、今年後半には飛行試験を開始する予定だったが、今回の事故を受けて原因究明と対策が施される必要があると考えられ、スケジュールは遅れることになるかもしれない。

なお、Vertical Aerospaceは日本でも国土交通省によってVX4(VA1-100)の型式証明申請が受理されており、日本航空と丸紅が予約注文済みと伝えられている。これらの機体は2025年大阪万博でエアタクシーとしての運航も予定されているが、今回の事故が万博での飛行に影響するかは不明だ。

ちなみに、大阪万博ではVertical Aerospaceのほかにも日本のSkyDrive、米Joby Aviation、独VolocopterがそれぞれのeVTOLを「空飛ぶクルマ」として運航させる予定だ。

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