全てを解決する筋肉をApple Watchで育成

将来のApple Watch、「ひずみゲージ」追加で筋トレ追跡精度が向上するかも

Image:Summer Paradive/Shutterstock.com

Apple Watchは各種スポーツの運動量が記録できるほか、フィットネスサービス「Fitness+」に深く組み込まれており、アップルの健康事業において要に位置している。体温の変化から心拍数までも計測・記録し、日々の生活ばかりかスポーツジムのお供になっていると言っていい。

そんなApple Watchに、将来的にはひずみゲージセンサーが搭載され、筋トレ中の消費カロリーなどがより精密に計測できる可能性が浮上している。

数週間前にアップルの健康テクノロジーチームが出した求人情報は「アナログ・エレクトロニクス、できればアクチュエーター、温度センサー、ひずみゲージ、フォトダイオードを使ったメカトロニクスシステムに関わったことのある」エンジニアを募集している。

また資格要件には「初期試作段階にあるハードウェアの設計、構築、トラブルシューティング」の経験も挙げられている。要はソフトウェアではなく、設計からテストに至るまで、徹頭徹尾ハードウェアを手がけるということだろう。

そしてApple Watchは、すでにアクチュエーターや温度センサー、フォトダイオード(心拍数や血中酸素ウェルネスAppに使用)を内蔵している。そこにひずみゲージが加わることから、新たなセンサーを搭載したApple Watch試作機の開発を視野に入れている、と推測できる。

ひずみゲージは、力を加えたときの電気抵抗の変化を測定するもので、モーションキャプチャから医療機器まで広く活用されている。手首に装着した非侵襲的(生体を傷つけない)ひずみセンサーで、人間の皮膚のあらゆるひずみを正確に測定できることを実証した研究もあった

今のところApple Watchが計測できるのは、筋トレ中の消費カロリーや時間、心拍数だけだ。これらの数値はランニングやサイクリングのような有酸素運動を追跡するには便利だが、筋肉にかかった負荷などは心拍数等に反映されないため、正確さに欠ける。しかし、ひずみゲージなら皮膚のひずみ、つまり筋肉の微細な動きを追跡できるはずだ。

現在の純正ワークアウトアプリには、筋力負荷を計測するための重量やレップ数(1セットごとに繰り返す回数)、セット数を記録する機能が存在していない。全世界的な筋トレブームのなか、アップルが研究開発を急ぐモチベーションは高いはずだ。

関連キーワード: