Google Stadiaの反省を活かせるか、二の舞か
Netflix、「ゲームストリーミング」のテスト開始。iPhoneやiPadがコントローラーに
Netflixは先週、iPhoneとiPadをゲームコントローラーとして使える「Game Controller」アプリを公開した。「テレビとペアリングされ、スマホまたはモバイル機器を使ってNetflixでゲームをプレイできる」とのことだったが、それ以上の詳細は不明だった。
それに続きNetflixは、スマートTVおよびPCとMac向けにゲームストリーミングのベータテストを開始すると発表した。
公式ブログによれば「本日(現地時間8月15日)より、カナダとイギリスの一部の会員を対象に、一部のテレビで限定ベータテストを開始する。また、今後数週間以内に、Netflix.comの対応ブラウザを通じて、PCとMacでベータテストを始める」とのことだ。
さらに「テレビでゲームをプレイするため、すでに一日の大半は手にしているコントローラー、つまりスマートフォンを導入する。PCやMacのメンバーは、キーボードとマウスを使ってNetflix.comでプレイできる」とも付け加えている。要はスマートTVユーザーは上記のアプリでiPhoneやiPadをコントローラー代わりにできる、ということだ。
さらに「限定ベータは、ゲームプラットフォームが正式に稼動する前に、ゲームストリーミング技術とコントローラーをテストするためのもの」とのこと。クラウドゲーミング技術を使うことを認めている格好だ。
Netflixはクラウドゲーミング事業に進出する計画を、昨年秋に明らかにしていた。Googleがサービス終了したStadiaにつき「技術的には成功した」「ビジネスモデルには問題があった」と言及。その一方でStadiaのような専用コントローラーを用意するかどうかはノーコメントだったが、ゲームコントローラーアプリがその答えなのだろう。
Netflixが挙げた対応プラットフォームは、以下の通りである。
- Amazon Fire TV ストリーミングメディアプレーヤー
- Chromecast with Google TV
- LG TV
- Nvidia Shield TV
- Rokuデバイスとテレビ
- Samsung スマートTV
- Walmart ONN
これら対応機器の中にApple TVが含まれていないのは、アップルが他社のゲームストリーミングに敵対的だからだろう。かつてマイクロソフトもXbox Game PassとクラウドゲーミングをApp Store経由で提供しようとしたが、アップルの規約に阻止され、結局はクラウドストリーミング+ブラウザの形を取るほかなかった。
Netflixはユーザー離れを食い止めるため、2021年から世界各国で無料ゲームを提供している。だが、これまでのところ成果が出ているとは言いがたく、プレイ率は1%にも満たないとの調査結果もあった。
よりボリュームがあり遊びごたえのあるクラウドゲーミングなら違う効果があるのか、それとも「スマートTVなど別の機器を用意し、さらにiPhoneアプリを立ち上げ」が面倒がられるのか。いずれにせよ、日本を含む世界各国での正式サービス開始を待ちたいところだ。