「XへのリブランドがTwitterをしがらみから解放」とも

X(Twitter)、ビデオ通話機能を追加へ – CEOが言及

Image:CNBC

以前はTwitterという名前で親しまれていたSNS「X」が、新機能としてビデオ通話機能を導入することを明らかにした。Xは目下、現オーナーであるイーロン・マスク氏が希望する「なんでもアプリ」になるべく、あらゆる面で変更が加えられている。

現CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏は、CNBCのインタビューで「もうじき、Xはプラットフォーム上の誰にも電話番号を教えることなく、ビデオ通話ができるようになる」と述べている。

Xがこの機能を追加することに関しては、数日前にXでデザイナーを務めるアンドレア・コンウェイ氏が「たったいま、Xで他の人と通話しました🤯🤯🤯🤯」と投稿しており、少なくともXが音声またはビデオ通話のような機能を開発していることをほのめかしていた。

Twitterはマスク氏が買収して以降、ビデオ関連の機能強化にも注力している。その結果投稿に含まれる動画の画質向上に加えて、投稿可能な時間も延長されており、アップルは広告としてApple TVのドラマ『サイロ』の第1話を全編公開していた。

CNBCのインタビューでは、ヤッカリーノ氏もマスク氏の「なんでもアプリ」構想を全面的に支持するとしており、むしろそのためにこの会社に加わったのだと述べている。またユーザーが友人やクリエイターに対して金銭の支払いを可能にするという、マスク氏が早くから希望している計画も引き続き推進していることを強調した。

ヤッカリーノ氏は「(Xへの)リブランドは、まさにTwitterからの解放を意味するものだった」と述べ、Xになったことで「従来の考え方や考え方を超えて進化」できるようになったと自画自賛した。そして「Twitterでありつづければ、あるいはそのブランド名をそのまま使用していれば、変化は漸進的になる傾向にあった」「Xでは何が可能かを考えて行動するため、できないことを少しずつ変えていくのではない」と述べている。

そこまで全てを変えたいのであれば、Twitterでやるのでなくサービスを新規に構築するほうが良いのではないかとも思える。だが、新規サービスにユーザーを呼び込むよりも、すでに5億人以上のユーザーを抱えるTwitterを買収して変えていくほうが、ビジネスとしては効率が良いとマスク氏は考えたのかもしれない。

なお、ヤッカリーノ氏はもともと広告・マーケティング分野の人物であるため、Xのサービスや機能に関しては深入りせず、会社の運営、たとえば法務、セールス、ファイナンスといった方面での役割を担うのだとインタビューで説明している。そして様々な機能の追加削除や細かい変更などを指示しているマスク氏とは所掌する範囲が異なることを強調した。

また、マスク氏とMetaのマーク・ザッカーバーグCEOの「金網マッチ」の件については、ビジネスとしてはまったく関係のない話としつつ「それが本当に行われるかどうかは知らない。私に言えることは、マスク氏がトレーニングしているところを最前列で目撃したことがあるということ」と語り、もし実現すれば「素晴らしい宣伝の機会にはなる」とした。Xをなんでもアプリにして支払いも可能にするのなら、この金網マッチのチケット販売もX上でできれば良いかもしれないが、ヤッカリーノ氏はそこまで考えてはいない様子だった。

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