Amazonだから優良な出品者とは限らない

頼んでいないAmazonの荷物が50個以上、カナダの個人宅に届いてしまう

Image:Jeramey Lende / Shutterstock

カナダ・ブリティッシュコロンビア州の女性宅に、最近なぜか頼んでもいない荷物が累計50個以上も送られてくる問題が発生している。荷物はすべて米国のAmazon出品者からで、どうやらこの出品者は返品された商品の送り先に女性宅を指定している模様だ。

女性いわく、配送業者は荷物を女性の玄関先に無断で放置し、女性が受け取りを拒否できないようにしているとのこと。また荷物はすべて米国からのものであるため、UPSは女性に対して合計300ドル以上の輸入手続きに関する手数料を請求している。

女性は、一体どうしてこんなことになっているのかわからないものの、休止中のAmazonアカウントに何らかの不正が施されているのではないかと考えている。

カナダの商業改善協会(Better Business Bureau:BBB)は、この問題は出品者が返品発生時の送り先を現地に指定して、送料や保管倉庫費用を回避しようとする、不正な返品スキームである可能性を疑っている。通常Amazonのフルフィルメントセンターを使用する出品者は、注文を受けた商品の出庫から出荷、配送、返品などに関する料金をAmazonに支払わなければならない。返品されてきた商品は再販しないのなら、廃棄処分命令とこれまた手数料が請求される。もし国外発送した商品に返品が発生でもすれば、返送にかかるコストも大きくなるため、どこかの個人宅に送りつけて費用を回避しようとすることが考えられる。

BBBは、「出品者からすれば、たとえば中国まで返品されて料金を請求されるぐらいなら適当な住所に送りつけてしまうほうが簡単で、そこで廃棄する方がコストも無駄にならずに済む」と説明した。

また、女性のAmazonアカウントについては、フィッシングかなにかの手口で住所やその他の情報が盗まれ、それが特定の出品者に流れた可能性が考えられる。女性は「Amazonの個人情報管理がどうなっているのかわからないが、荷物の送り主側は私の名前、住所、古い電話番号を知っている」と述べている。

なお、カナダ国境サービス庁によると、物量業者は商品の代金が支払われるまでは荷物を保持することが求められ、輸入に関する手数料も請求ですべきでないことになっているが、女性はこの問題で商品の代金支払いには応じていないにもかかわらず、UPSから手数料が請求されている。UPSはCBCに対して、女性側と連絡が取れるまではコメントを出すことはないとした。

ちなみに、米Amazonはこれを最初に報じたCBCに対し「是正措置」を講じていると述べた。そしてウェブサイトには「不要なパッケージを報告するフォーム」を用意しており、これを通じて報告するようアドバイスしている。

再販もせず処分に困って個人宅におくりつけるのなら、出品者にはもう少し頭を使って、現地の中古小売り業者に安く売るなり、慈善団体へ寄付するなり、少しでも世の中に役立つ処理方法を考えてもらいたいところだ。

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