任天堂にとって最大のライバルは過去の任天堂

Nintendo Switch後継モデル、2024年後半発売?すでに開発キット提供か

Image:Wachiwit/Shutterstock.com

Nintendo Switch(以下「スイッチ」)が発売から7年目を迎えて販売台数が減少する一方で、後継モデルの噂が活発化している。昨年夏に「Proモデルが年内に発表」との予想が持ち上がり、結局は実現しなかったものの、そろそろハードの世代交代は避けがたいはずだ。

そんななか「任天堂の次期ゲーム機」の開発キットが主要なパートナースタジオに提供されており、発売は2024年後半を予定していると、海外ビデオゲームサイトVGCの情報筋が主張している。

「任天堂の次世代ゲーム機計画に詳しい」複数の関係者によると、同社は初日に十分な在庫を確保し、PS5やXbox Series X|Sで起こった品不足を避けるため、2024年後半に新ハードウェアを発売する予定だという。

まだ具体的な詳細は非公開だが、次世代スイッチは現行モデルのように携帯モードで使用できるようになるとのこと。そして高精細なゲームに必要なストレージの増加を考慮して製造コストを下げるため、有機ELではなく液晶画面を使う可能性があるようだ。

現行スイッチの内蔵ストレージはわずか32GBだが、現行のPS5やXbox用タイトルは100GBを超えるものは珍しくはなく、オープンワールドRPGとしては比較的小さい『ELDEN RING』も60GB程である。

また現行モデルと同様に、次世代スイッチも物理カートリッジ用のスロットがあるという。携帯モードも備えているのであれば、本体サイズを抑えつつバッテリー駆動時間を持たせるためにも、光学ドライブ内蔵よりも現実的だと思われる。

ほか、現行スイッチ(物理カートリッジおよびダウンロード版)との後方互換性などは不明とのこと。任天堂の古川社長も次世代機に言及しながら、「ニンテンドーアカウントを活用しながら、お客様にうまく移行していただけるように努めていきたい」と後方互換性の可能性を匂わせていた

もっともVGCによれば、一部のサードパーティパブリッシャーは、現行スイッチの後方互換性が次世代機タイトルの売上に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を表明しているという。実際、任天堂の過去ゲーム機でも、大ヒット機Wiiとの後方互換性を持つWii Uは専用タイトルの売上げが芳しくなかったし、そもそも本体の販売も低迷していた。

ReedPopのゲームB2B責任者、クリストファー・ドリング氏も、PS5やXboxとの競合に触れつつも「任天堂が直面している最大のライバルは、任天堂自身だ」と指摘している、コアなファンはハードの性能向上を熱望しているが、ファミリー向けの「カジュアル」ファンは単なるビジュアルの向上ではなびきにくいというわけだ。

とはいえ、2024年後半となれば、初期のスイッチは8歳間近となり、ディスプレイやJoy-Con他に経年劣化を抱えているはず。もしも年末商戦期に発売され、スイッチ発売当時と同じく毎月のようにマリオやゼルダなどの新作が投入されれば、任天堂にとって稀なハード世代交代の成功となるかもしれない。

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