太陽系の初期から変わっていないとされる小惑星

NASA、小惑星ベンヌの地表が予想外に「ふわふわ」だったと報告

Image: NASA/Goddard/University of Arizona/Lockheed Martin

NASAの小惑星探査機OSIRIS-RExは、2020年10月に小惑星ベンヌへタッチダウンし、その地表からレゴリスのサンプルを採取した。そして2021年5月に地球への帰還の途につき、2023年9月に、サンプル入りカプセルを地上に投下する計画となっている。

OSIRIS-RExのサイエンスチームは、このサンプル採取のときのデータを分析したところ、ベンヌの地上のレゴリスは非常に緩く堆積していたことがわかったと明らかにし、もし探査機がタッチダウンし、すぐにスラスター噴射で再浮上しなければ、その脚を地面に深く突っ込むことになっていただろうと述べている。

科学者たちは当初、地球からの観測データから、ベンヌの地表は滑らかな砂浜のような状態だろうと推測していた。しかし、結果はまったく異なっていた。さらに、タッチダウンの際のスラスター噴射によって周囲のレゴリスが吹き飛ばされ、直径8mものクレーターになったことも明らかにしている。

NASAはサンプルを採取する際、地表にはほとんど痕跡を残さないだろうと予想していたため、この結果は科学者らを困惑させている。この地質に関する情報が、来年持ち帰られる予定のサンプルを詳しく分析する際、非常に重要な意味を持つかもしれない。

OSIRIS-RExミッションは、太陽系が形成された当時のままの物質が残っている事を期待し、ターゲットとなる小惑星を選定している。ミッションの目的に、地球上で生命が進化することにつながった仕組みを明らかにすることも含まれているからだ。小惑星の物質は、火星などの惑星の岩石のように性質が変化する過程を経ていない。

NASAは、地質学的な観点から「岩石の起源がわからなければ、その岩石を本当に理解することはできない」と説明。「OSIRIS-RExのサンプル採取」が、まさにその起源を調べることにつながると述べている。

ちなみにOSIRIS-RExは、2023年に地上にベンヌのサンプルを投下するが、その後はOSIRIS-APEXと呼ばれる延長ミッションに入り、また別の地球近傍小惑星である「アポフィス」へ向かう予定だ。

OSIRIS-APEXでは小惑星へのタッチダウンはしないものの、18か月にわたって小惑星を調査する。そして地表すぐ近くまで接近してスラスターを噴射し、その地表から少し下にあるものを露出させて観測することにしている。もしかしたら、ベンヌのようなふわふわの地面がユニークなものでなく、むしろ小惑星なら普通である可能性もあるかもしれない。

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