1台あたり900万円を上乗せして

ロールスロイス、初EV「Spectre」の転売ヤーをブラックリスト化へ

Image:Rolls-Royce

超高級車ブランド、ロールス・ロイス初のEVモデル「Spectre(スペクター)」は、逆開きドアを備えた気品溢れるラグジュアリークーペで、価格帯は約40万ドル(5600万円前後)もする。しかし、その金額をポンと出せる人々にとっては魅力的なクルマであることに間違いはない。そして、その入手が困難とあれば、何倍もの価格を簡単に出してでもそれを買おうという、お金が余って余って仕方がない人々も世の中にはいるものだ。

ロールス・ロイス・モーター・カーズのトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは、Spectreの販売について潜在的な顧客を精査していると述べた。つまり、もともとの価格の何倍を払ってもよい顧客への転売を目的とする顧客を、事前審査で振り落とそうというわけだ。

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もし、ロールス・ロイスが転売目的の購入希望者または購入者が転売したことを認識すれば、その顧客はブラックリストに書き加えられ、永久に顧客としてロールス・ロイスのディーラーに足を踏み入れることはできないと、エトヴェシュCEOは語っている。エトヴェシュ氏は「彼らは即座にブラックリストに載るだろう、それですべて終わりだ。二度と手に入れるチャンスはない」と述べている。

しかしそれでも、一部の購入者は購入したSpectreを利益のために転売することは止められないだろう。実際トム・ハートレーと称するスーパーカーディーラーは厳しい警告にもかかわらず、Spectre2台を1台あたり5万ポンド(約900万円)上乗せした価格で、納車され次第確保できると英Car Dealerに述べている

これまでも独自のルートでロールス・ロイスの中古車を扱ってきた経験を持つハートレー氏は、発売から2週間以内に中古のSpectreを売りに出すとしている。そして「50万ポンド近くも出して自動車を購入した顧客に対して、メーカーがその扱い方を指図するのはフェアではないと思う」と述べた。Spectreは今夏の発売予定で、秋には納車が開始される予定だ。

ちなみに、このようなハイスペックカーの転売目的での購入に厳しく対応するのはロールス・ロイスに限った話ではない。たとえばシボレーは、アメリカンV8の象徴たるFRレイアウトを捨ててまで速さを追い求め、ミッドシップスポーツカーに進化したコルベットZ06モデルが、もし購入後すぐに転売された場合、その保証を拒否するとのこと。さらにその後のZ06の新規販売に関わらせないよう、売り手と買い手の両方をブラックリストに追加するとしている。

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