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Threads、開始24時間でユーザー数3000万人を突破。ザッカーバーグも驚く
Twitter風の新SNSアプリとして開始された「Threads」のユーザー数が、24時間で3000万人を突破したとMetaのマーク・ザッカーバーグCEOがThreadsで発表した。Instagramのアダム・モセリCEOは、「1日で数千万もの人々が登録するとは思っていなかったが、それをサポートするのは大変ながらも喜ばしいことだ」と述べている。
Metaは、Twitterが突然1日あたり閲覧ツイート数に制限を実施してユーザーを混乱させた直後、当初のリリース予定を大きく前倒してサービスを開始した。まさに機を見るに敏といった対応はTwitterの次を考え始めた人々を呼び込むのに効果を発揮したようだ。
ThreadsはあくまでInstagramの一部だとMetaは考えているのか、App Storeのアプリ名は「Threads, an Instagram app」となっている。Threadsへの登録にはInstagramアカウントを使うことになっており、Instagramのフォロワー関係などをそのままThreadsに持ち込むこともできる。Instagramの全世界でのアクティブユーザー数は約10億人とされることを考えると、Instagramユーザーの約3%がThreadsの初日に登録したことになる。
ただ、Instagramアカウントを持たない人がThreadsに登録するには、まずInstagramにも登録する必要があることを考えると、Threadsへの登録を面倒と思う人もいるかもしれない。
注意すべき点もあり、Threadsはアプリを使用するユーザーから広範な個人情報を吸い上げることが指摘されている。その項目数は同じくTwitter代替サービスとして注目されているBlueskyが3項目しかないのに対し、Threadsは14項目以上となっている。このあたりは数年前に英Cambridge Analyticaへの機密情報漏洩問題で大問題になったMeta(旧Facebook)の懲りないところと言えそうだ。
多すぎる個人情報収集項目による懸念からか、Metaはプライバシー保護を厳しくするEU各国でのThreadsの開始をいったん見送っている。Metaは最近、EU規制当局との法的闘争において、広範なユーザーデータの取得と扱いについて「正当な利益」だと主張することはできないと判断された。
Ars Technicaは、Electronic Privacy Information Center(EPIC)のキャリ・シュローダー氏が「Threadsがアプリの機能には必要ない多くのデータを収集している」と述べたと報じている。列記していくと、Threadsが取得するとされるデータには、ユーザーの性的指向、人種・民族、生体データ、労働組合の加入状況、妊娠状態、政治的思想、宗教的思想、雇用状況、健康およびフィットネスに関するデータ、金融データ、正確な位置情報、検索履歴、ブラウジング履歴などがあるとのことだ。
シュローダー氏は「健康データや金融に関する情報、位置情報、検索履歴、閲覧履歴などは、このアプリを使用するために必要ではない。これらのデータは ” ハイパーカスタマイズ ” されたターゲティング広告に利用されるか、広告主らに共有または販売される」と指摘、「Threadsはわれわれが見た中でも、最もプライバシー侵害的な選択肢のひとつだ」している。
ただ、広範に個人情報を収集しているのはInstagramも同じ事であり、そのユーザーたちにとってはThreadsが情報を収集することはさほど気にならないのかもしれない。
一方、Threadsに一度登録すると、Threadsからアカウントを削除する際Instagramアカウントも同時に削除しなければならないところも、ユーザーや専門家らから指摘されている。これに対してモセリ氏は、Threadsのアカウントを削除ではなく無効化して、プロフィールやコンテンツを非表示にできると述べている。これは現在はThreadsとInstagramをひとつのアカウントで利用する格好にしているからで、どちらか片方を削除というわけには行かないようだ。ただ、モセリ氏は将来的にThreadsアカウントを別個に削除する方法も検討するとした。
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、新サービスが予想以上の人気を獲得しているのを受けて「10億人以上が利用するオープンな会話アプリが必要だと思う」とThreadsに投稿した。そして「Twitterにはこれを実現する機会があったが、それを実現できていない。(われわれは)うまくいけば実現できそうだ」とTwitterへの皮肉を交えて述べている。
ザッカーバーグCEOはまた、ユーザー数10億人への「明確な道筋」が予測できるようになるまではアプリに広告を導入しないとThreadsに投稿した。ただ、TechCrunchなどは、すでにNetflix、Amazon、NFL、ペプシなどの大手ブランドがThreadsへの広告主として登録済みと報じている。これまでTwitterに広告を出していたものの、マスク氏が手にして以降のTwitterに躊躇していた広告主たちが、Threadsに移ることを考えてもおかしくはなさそうだ。
ザッカーバーグ氏が10億人への道すじを予測するのは、われわれが思うよりも早い時期になるかもしれない。
- Source: CNBC Ars Technica