メタバースでのミーティングや業務トレーニングに
レノボ、法人向けのスタンドアロン型ハイエンドVRデバイス「ThinkReality VRX」
レノボ・ジャパンは、エンタープライズ仕様のハイエンドVRデバイス「ThinkReality VRX」を8月1日より発売する。価格は209,000円(税込)。
「ThinkReality VRX」は、エンタープライズ向けAR/VRソリューションブランド「ThinkReality」シリーズのスタンドアロン型ハイエンドVRデバイス。SoCにはQualcomm Snapdragon XR2+ Gen1、メモリは12GB、ストレージは128GBを搭載する。
片眼2,280×2,280ピクセル表示に対応する高解像度パンケーキレンズを採用し、95度の視野角と90Hzのリフレッシュレートを実現。トラッキングは4基のカメラによるインサイドアウト型で、6DoFに対応するほか、フロント面にRGBカメラを2基搭載する。
RGBカメラではグラス内に映像を表示して、現実の空間に仮想の3D空間やオブジェクトをオーバーレイさせることで、デバイスで目を覆っている状態でもAR/MRを実現する。
MR表現を可能にする「ステレオフルカラーパススルー」にも対応。視界の歪みが少ない映像を実現することで、単眼カメラでのパススルー技術と比較して近くの物や少し離れた物、広い視野の場合でもより裸眼に近い遠近感を体感できるという。
主な使用シーンとして、メタバース空間上でのインタラクティブなミーティングや、場所や時間の制約を受けずに行える業務トレーニングの実施などに適しているとアピール。また、カラーパススルー機能を活用することで、実際に現場空間に製品のバーチャルモデルを表示させた配置シミュレーションなどが行えるとする。ほか、PCやワークステーションに無線/有線接続して、PC VRとして利用することもできる。
ほか、VR利用時には右目付近のハードウェアボタンを押すことで、いつでもVRから外部カメラ映像に切り替えられるなど、視界が遮断されることによる安全面にも配慮した設計となっている。
Qualcommが提供するOpen XRベースのXR開発プラットフォーム「Snapdragon Spaces SDK」を採用する。Snapdragon Spacesは、QualcommのXR向けチップセット「Snapdragon」シリーズを搭載したARグラス向け3Dアプリケーション開発や、AndroidアプリケーションへのAR機能追加などを行えるツールで、Snapdragon Spaces SDKではUnityとUnreal Engineに対応する。
ヘッドセット本体は、パンケーキ式レンズを採用することで本体デザインをスリム化。6,900mAhバッテリーを後部パーツに内蔵し、USB Type-Cケーブルによる充電が行える。なお、バッテリーは装着時のデバイス重量の分散を意識して配置されている。
また、ディスプレイの熱がユーザーの顔に向かないよう、通気システムにも工夫を施すなど、長時間のVRセッションにおいても快適に使用できるようデザインされている。また本体素材には、複数人での共同利用を想定して、レンズ部分以外は除菌ウェットティッシュ等でふき取りできる素材を採用している。
ほか、基本操作は左右のハンドコントローラーで行えるほか、ハンドトラッキングにも対応予定。ステレオスピーカー、デュアルマイクを内蔵し、3.5mmヘッドホン/マイクコンボジャックを装備する。OSはAndroid 12。ワイヤレス接続はBluetooth/Bluetooth Low Emission 5.2、Wi-Fi 6E 802.11AXに対応する。外形寸法は114×203×280-330mm、質量は0.8kg。